内容説明
「学者の国会」ともいわれる日本学術会議.戦時体制への反省から設置されたが,そもそもどんな存在か.2020年,首相による会員候補者6人の任命拒否という前代未聞の事態が発生.これを機に,法的・歴史的にとらえ直し,科学者の社会的責任,学問の自由の問題から課題や展望を考える.前史来100年あまりの略年表付き.
目次
はじめに(小沼通二)┴1 日本学術会議と科学者の社会的責任 法的位置づけ、政治との関係(広渡清吾)┴2 倫理委員会としての役割 過去の事例から(池内了)┴3 改めて歴史を振り返る 任命拒否と学問の自由(木本忠昭)┴4 アカデミーの理念とこれからの展望(隠岐さや香)┴日本学術会議のこれから 「おわりに」に代えて(小沼通二)┴日本学術会議略年表(小沼通二)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西澤 隆
5
菅政権時代のトピックの一つ、日本学術会議の任命拒否問題。「そもそも日本学術会議とは?」を伝えるためのブックレット。どこの国でもアカデミーは独立的であり政権に対して必要なときにもの申すことができなければいけない。だから書かれていることは正論ながらどこか「我々は怒っている。我々を制御するなどもってのほか」というような鼻息も伝わってきて素直には受け取れない部分も。例えば「軍事研究」もすべての研究が転用可能な時代にこの対応で対応できるのか・・・への反省はない。外の人の説得はどうあるべきかあらためて考える本でした。2022/10/15
星辺気楽
0
とんでもないことが行われている日本。2023/04/24
たろーたん
0
菅首相がやった任命拒否って結局何だったの?人事だから説明できないと言いながら、「総合的・俯瞰的観点から考慮したとか所属大学に偏りがある、若手が少ない」とか色々と言ってたけど、事実に反するどころか任命拒否のせいで偏りが出た。しかも、個別人事と言いながら、六人のうち加藤陽子しか知らない・名簿は見ていないという矛盾っぷり。その後には「年金250万円貰える」とか「中国千人計画に協力して軍事研究している」という与党国会議員によるデマ。マジでただの嫌がらせ人事じゃん、クソっすわ。2022/01/14