岩波科学ライブラリー<br> 皮膚はすごい - 生き物たちの驚くべき進化

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岩波科学ライブラリー
皮膚はすごい - 生き物たちの驚くべき進化

  • 著者名:傳田光洋
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 岩波書店(2021/10発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000296854

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内容説明

ポロポロとはがれ落ちるような柔な皮膚もあれば,かたや脱皮でもしない限り脱げない頑丈な皮膚.生き物たちの皮膚は一見不合理のようだが,それぞれが進化の産物であり理由がある.からだを防御するだけでなく,色や形を変化させて気分も表現できる.生き物たちの「包装紙」のトンデモな仕組みと人の進化がついに明らかになる.

目次

まえがき┴1 人間だけじゃない!┴皮膚を家にたとえるなら┴皮膚の色で心もわかる┴生き物はみんな袋で包まれている┴2 皮膚は最強のバリアだ!┴皮膚の起源は?┴皮膚の中はどうなっている?┴他の動物たちはどうなのか?┴ゴリラやチンパンジーたちは┴皮膚でも呼吸できる両生類┴人間にいちばん似ているのはカエルの皮膚?┴カエルの入念なスキンケア┴人間の角層そっくりの繭を作るカエル┴【ひとくちコラム】ハダカデバネズミ┴【ひとくちコラム】魚の皮膚┴3 皮膚は生まれ変わる?┴脱皮する動物たち┴外骨格┴体温調節できない皮膚┴【ひとくちコラム】皮膚とエナメル質┴4 植物だって「皮膚」でできている┴樹木の皮膚は厚い!┴樹皮の模様と人間のしわ┴皮膚呼吸する植物チランジア┴【ひとくちコラム】植物と似ているホヤの皮膚┴【ひとくちコラム】地衣類たちの「皮膚」┴5 なんといっても皮膚は防御┴カバの赤い汗は紫外線を吸収┴鳥の皮膚は毒を持つ┴傷んだトマトの皮の秘密┴免疫機能┴花粉症と皮膚┴指しゃぶりとアトピー┴皮膚に棲む細菌たち┴【ひとくちコラム】樹皮に含まれる物質と人間の薬┴6 極限環境のなかでも平気な皮膚┴汗っかきなのは人間とウマだけ┴ゾウの皮膚とマイクロ工学┴鳥肌は立つ?┴体温四〇度Cを保てるペンギン┴氷点下でも凍らないヒラメの皮膚┴だぶだぶの皮膚をまとうカエル┴脱皮する植物のメセン┴7 驚くべき進化を遂げた皮膚┴高速で泳げるサメ肌┴電気レーダーを備えた皮膚┴エサを食べる皮膚┴分身を作る皮膚┴芸術的な模様を持つ皮膚┴食虫植物たちの皮膚┴8 コミュニケーションする皮膚┴変態でメッセージを送る昆虫┴過激色で威嚇するカエル┴気を惹くイカの変身┴コウイカは学習する┴コロコロと体色を変えるカメレオン┴9 人間の皮膚を再考する┴表皮は五感を持っている┴匂いも味も識別する皮膚┴刺激に反応する本体は?┴痒みという感覚はなぜ起こる┴皮膚の情報処理能力┴【ひとくちコラム】表皮と脳┴10 家を出た人間┴なぜ体毛を失ったか┴人間はなぜ人間なのか┴ホモ・サピエンスの選択┴自閉症スペクトラム障害とホモ・サピエンス┴ネアンデルタール人の皮膚┴体毛を失って得たもの┴「家を出た」人類┴参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

101
サブタイトルは「生き物たちの驚くべき進化」生き物たちの皮膚は単なる「包装紙」を超えトンデモな進化を遂げた。皮膚についてとてもわかり易く書かれている。皮膚とは何か、皮膚は考える/興奮する/変身する。痒みや乾燥、ストレスはどのように皮膚に悪影響をおよぼすのか。皮膚の老化についてなど。驚くべき進化を遂げた皮膚という章では様々な生き物たちの皮膚について書かれており興味深く読むことができた。図書館本2020/02/23

アキ

98
なぜ人は他の動物に比べて体毛がこんなに薄いのだろうとずっと疑問に思っていた。著者は化粧品会社に勤め、UCSFに留学経験のあるケラチノサイトの研究者。ゾウリムシからトマトまで皮膚は家に例えると屋根であり外壁であり、防御機能が第一である。人間の皮膚にいちばん似ているのは、カエルの皮膚だという。ヒトのケラチノサイトは五感も情報処理能力もある。約120万年前に体毛を失った人は同時に脳を発達させた。表皮を情報のセンサーとして、あえて「家」を出ることで外界にさらし、世界の果てを目指して歩き出したのではないかと論じる。2021/08/12

やいっち

79
人類はある時期(一二〇万年前)、体毛を失った。 お蔭で馬もだが、汗を流すことで体温調節が可能になり、長距離を走れるようになった。 一方、ごく薄い角層は、水を通さない。 放っておいて干上がることはない。 それはケラチノサイトの変化したもの。 ケラチノサイトには電場や適切な温度、可視光、音波などの刺激を感知する機能がある。 皮膚感覚は、表皮の下に来ている神経終末や、表皮の中に入り込んでいる神経線維に担われている。 が、著者によると、ケラチノサイトも担っているというのだ。2021/09/11

月をみるもの

21
腸内細菌が精神(脳)に与える影響も大きいらしいのだが ( https://bookmeter.com/reviews/61659426 )、皮膚(神経ではなくケラチノサイト細胞)にも圧力や熱や光や音波を感じる能力があって神経系とか脳とリンクしてるのか。。。まあ眼・耳・鼻・舌なんて、空間的にも物理量的にも限定されてる感覚受容器と違って、皮膚と腸は自分と世界の「境界」そのものなのだから、逆に当然なのかもしれない。。2020/03/21

zoe

20
化粧品会社の研究員さんが執筆した皮膚の話。表紙の絵は水分を大事にする植物。生物の中と外の境界を様々な角度から切り取っています。水分の出入りだけでなくプランクトンは食事も皮膚から。メラニン生成機構と体毛消失のリンク。凍らない皮膚の成分。超低温下で体温を保持できる仕組み。イカは、環境に自分の見え方を合わせれらるし、またカメレオンはグアニン結晶の向きで色を変化させる。カバは赤い汗を出し、抗菌作用のある成分も含む。分泌物で水分蒸発を管理する。分泌物も種々形式。脱皮をする昆虫。蛇。薄いゼラチン厚いゼラチンの割れ方。2023/01/22

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