内容説明
なにが独裁国家を崩壊させたのか?
ナチス・ドイツを生み出した共和国の崩壊から、第二次世界大戦における敗亡までを、鉄道という切り口から描き出した通史。当時の最先端技術を結集した新車輌開発、交通政策をめぐる組織内外の駆け引き、鉄道からみた独ソ戦、死の特別列車……。「生存圏」拡大や「ユダヤ人絶滅政策」とも密接にかかわりながら、これまであまり語られてこなかったヒトラーとドイツ国鉄の「知られざる歴史」から、独裁国家終焉までの軌道を明らかにする!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
46
前著『鉄道のドイツ史』がドイツ鉄道事始めから始まる、ドイツの鉄道経営史だったのに比して、今回はWW1敗戦後のの「ドイツ国家鉄道」成立から、ナチスの崩壊に至るまでの短く、激烈な歴史である。ドイツの鉄道的統一は、ヴァイマール体制下の事であったのにも、驚いたが、ナチスの国威発揚の道具として、また、戦時輸送システムの一環として、そして、ユダヤ人問題の最終的解決の重要な足として、体制とともに歩み、殉じた組織であった。戦時の鉄道利用に関しては、同じ虐殺好き独裁者でもスターリンの方が、センスがあったと思う他なし。2021/10/29
鐵太郎
17
鉄道(ドイツ国鉄──ライヒスバーン)という視点でナチス・ドイツの12年間(1993/1/30~1945/4/30)の歴史を描き出したもの。あまり重要視されていなかった、というより世界最高のドイツ技術で当然と思われ、あって当然とかえって注目されなかった鉄道が、ナチス・ドイツの戦争技術にどれだけの役割を果たしたのか、その影でどんな政治闘争があったのか、どのような技術革新があったのか、どのような未来への展望があったのか。レール・ツェッペリン、超広軌鉄道などのとんでもない構想に驚いたねぇ。2023/09/13
fseigojp
9
やはり、大量輸送は鉄道と船 兵站が追いつかんと負ける2022/04/30
onepei
3
装甲列車が意外に活躍していたのに驚き2022/03/21
Go Extreme
3
統一機関車―ドイツ国鉄の誕生:1914/1918~29年 レール・ツェッペリンと「飛ぶハンブルク人」:1930~33・34年 05形機関車とSバーン:1934~39年 「休戦の客車」と凍える車輛:1939~41年 戦時機関車と超広軌鉄道:1941~43年 装甲列車と「死への特別列車」:1943~45年 総統専用列車:ドイツ国鉄の崩壊・1945年2021/11/12