内容説明
野生動物たちと日々行き交う、京都在住の猟師が綴る。
これからの自然を思う20のエッセイ。
昭和の里山は理想郷だったのか?
人里に動物が出没するのは森の荒廃が原因か?
自然は「手つかず」が理想か?
猟師は森の番人か?
前著『ぼくは猟師になった』から7年、猟師として山に入り続け、考え続け、さらには膨大な資料(詳細な注釈を収録)にあたるなかで練り上げられた現代猟師考。
狩猟採集生活の楽しみを綴るとともに、獣害問題をはじめとした自然の今とこれからについて深く考察する。
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映画『僕は猟師になった』(2020年夏・劇場公開)
獲って、さばいて、食べる。猟師・千松信也の暮らしに700日密着したドキュメンタリー。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅
110
すぐそこの森に美味しそうなイノシシが暮らしていて、薪として使える枯死木や間伐材が放置されている。それを利用しないのは勿体無いというだけだ。人間の都合で野生生物の住処を奪っておいて、減ったから保護する…人間って勝手だよね。命をいただくからには、口に入るまでの全過程をしっかり観るべきだと思う。2016/04/30
けんとまん1007
50
「手つかずの自然」はないという一文が印象深い。改めてその意味を考えると、いろいろな思いが浮かんでくる。人間の営みが与える影響は、思いもよらない形で表れているのだと思う。自然の中で、営みを続けるということは簡単なことではない。そこに暮らし、考えるからこそというものはある。そこを忘れて、単なる評論家としての発言・行動を考え直すきっかけになる。2023/06/18
Shoji
42
イノシシやシカやクマなど、狩猟対象となる鳥獣の生態や取り巻く環境を猟師の視線で述べた本です。前半は面白かったが後半はややトーンダウンしました。猟師としての持論、あるべき論を述べていますが、読むのが少々しんどかった。2020/10/18
T2y@
40
前作「ぼくは猟師になった」から、さらに憂い感じる内容に。 シカ・猿などによる獣害増加と、減少する猟師と狩猟活動。 生態系を狂わせ、獣害を増大させたのも人間。 絶滅の危機にあるのは、どの獣よりも猟師そのもの。 千松さんの『けもの道』は続く。何年後になろうと、次作を待ちます。2016/02/28
Akihiro Nishio
22
最近勉強している狩猟本。類書の中でもかなり良い本ではなかろうか。狩猟の様子が良くわかり、途中で挿入される野生動物の解説もわかりやすい。動物が狩猟の対象となったり外されたりという歴史や、禁止になった狩猟法についても言及されているのが良い。また、鳥類や里山でとれる魚類の猟について語られるのも珍しい。全体を通して感じたのは、里山は日々大きく変化しており、今の状態から判断するのでは十分でないということ。もっと長いスパンで考えなければならない。自分が猟デビューできるのはいつの日だろうか?2017/01/09
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