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内容説明
戦後すぐ誕生した和製独語「アルバイト」(学生の労働)。その歴史は社会や経済の動きを反映してきた。新型コロナ下の動向まで網羅。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shikada
20
日本におけるアルバイトの誕生と推移をまとめた1冊。戦後、困窮した学生たちは学費・生活費のためにバイトをしたが、日本が経済成長するにつれ、小遣い稼ぎのためにバイトする学生が増えていく。そして不況下で仕送りが減った現代の学生たちは、再び学費や生活費のためにバイトするようになっている。人件費削減のためにアルバイトの割合を増やしながらも、仕事の負担や責任は正社員並みのそれを求める現代のバイトはブラックに傾きつつある。2021/11/15
bapaksejahtera
12
アルバイトの当事者である学生と受け入れ側社会双方の変化史を分析。激変振りからは、統計の連続性維持が如何に困難であるかが解る。その中で戦前の「苦学生の内職」が戦後に「アルバイト」と変化し、高度成長、世界不況、コロナの今日迄を説く。卒業後半世紀を超えた老人に縁遠くなった学生アルバイト事情に、改めて得心する事が多い。特に学生雇用を前提とした中で、業務のマニュアル化や後輩の指導、接客上の感情管理を求めるに至った現状には驚く。大学の過剰な大衆化の中で、大学側の多くもこうした学生バイトを前提とするようになったようだ。2024/01/19
スプリント
10
アルバイトがいつ誕生し、時代とともに受け止められ方がどう変わっていったのか。 生活費のため、家計のため、娯楽のため多様なアルバイトの歴史。2022/05/29
MASA123
7
学生アルバイトの歴史がわかる本でした。現在の大学生のアルバイト就業率が80%もあるのには驚いた。アルバイト職種の推移統計なども興味ぶかい。今は、外食とかファーストフードとか、たいへんそうなアルバイトが多くて、自分らの学生時代(昭和50年代)のほうが恵まれていたかも。 アルバイト経験がある人は、なるほど、そういう時代だったのかと回想できます。バブル期の女子大生は、今では考えれない、わりのいいアルバイトがあったのだ。 2022/02/17
manabukimoto
4
日本において大学生がいかに企業労働に組み込まれてきたかの歴史。 戦後まもなく使われ始めた言葉「アルバイト」。内職や苦学生という言葉の暗さより、知的な響きの独語が好まれたという。 現在8割近くがアルバイトに従事。経済的必要性だけでなく、職業選択に向けた試行錯誤・予行演習として、アルバイトが当たり前の大学生活という現状。 雇用者総数の3.4%をアルバイト学生が支える日本。従順さと無知に漬け込みブラックバイトも横行する。 何より大学生、本読まなさすぎ。忙しさに価値が置かれるという社会の風潮が良くないのでは。2021/10/28