境界のポラリス

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境界のポラリス

  • 著者名:中島空【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2021/10発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065257616

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内容説明

恵子は中国生まれ日本育ちの高校生。母と、母が再婚した日本人の父と三人で暮らしている。ある日、バイト先のコンビニでマナーの悪い客にからまれているところを、大学院で中国文学を学ぶ幸太郎に助けてもらう。彼は、埼玉県川口市にある日本語教室「青葉自主夜間中学」で、外国人の子どもたちに日本語を教えてもいるらしい。興味を持った恵子は、この教室を訪れるのだが……。

わたしは日本人? それとも中国人? 自身のアイデンティティに悩む主人公と、日本社会に溶けこむため、懸命に日本語を学ぶ中国やベトナム出身の同世代の子どもたち。日本で暮らす困難を共有しながら、友情をはぐくんでいく彼女たちの姿を感動的に描く! 異文化交流の難しさと大切さを伝える、第61回講談社児童文学新人賞佳作入選作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

☆よいこ

85
YA。爽やか。両親が中国人の恵子は、離婚した母親と一緒に5歳で来日した。母が日本人と再婚し日本名で学校に通っている。小学校でいじめられ、高校では友達に中国人だと言えずに過ごしている。ある時であった大学院生に誘われて夜間中学校で、外国人の子供たちに日本語を教えるボランティアを始める。思い悩んでいた恵子の世界が広がる。▽恵子はすごく真面目で優しい子。周りもいい人ばかりでほっとした。2022/02/21

Willie the Wildcat

84
異国での生活。直接・間接的な”異”の数々と障壁。それと同時に気づく「共通項」。章題で振り返る、過程の紆余曲折。言葉にすることの意味と意義を、見出す仲間たち。それを体現した楽花のスピーチ。いつでも心を照らし、見守ってくれているポラリス。私自身、そして後に(私の仕事のため)子どもたちも経験した道程を重ねる。小さな”プラス”の積み重ねと、周囲の支えかな。但し、ポラリスのようなCoolなモノは無いし、考える暇もなく只々そこで生きるしかなかっただけ、かな。今では、全てが良い思い出。2022/06/03

わむう

33
YA本。恵子は中国生まれということで小中でいじめられた経験から高校は誰も知らない学校に入学する。バイト先のコンビニで絡まれたいるところを夜間中学で日本語を教えている幸太郎に助けられたことがきっかけで、恵子も日本語を教えることになる。そしていろんな国から来た学生たちと交流するうちに、自分のルーツを受け入れられるようになる。 2022/10/03

白雪ちょこ

32
中国から来た、一人の少女の話。 「多様性」や「文化」、今の時代だからこそより意識させられるような内容となっていた。 日本の文化と外国の文化。 それは、そこに育った土地の人間だからこそ難しい壁に当たる辛さや苦しみ。 しかし、人は皆悪人ではなく、いい人に出会った時の瞬間こそ、花が開くことほど嬉しいという気持ちは、私もわかる。 中高生達にはもちろん、大人にも是非読んでほしい。 日本で暮らし、日本で働く外国人には感動させられる場面も多々ある。2022/07/05

ころちくわ

22
中国生まれの中国人の恵子は幼少の頃、母と日本へきて、日本人の父と3人で暮らす高校生。日本語には不自由しないが、小中学校でいじめられたので、学区外の高校へ進学。中国人ということは隠していた。日本人は欧米人には差別しないが、アジア人には差別する。学校での外国人の子供に対する差別は親に影響されるから、家庭で大人が差別的な会話をしているのだろう。児童書だからか、夜間中学で知り合った中国やベトナムの子供に「頑張れば大丈夫」と恵子が繰り返し言うのが気になった。2022/08/21

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