中国史とつなげて学ぶ 日本全史

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中国史とつなげて学ぶ 日本全史

  • 著者名:岡本隆司【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 東洋経済新報社(2021/10発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784492062180

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内容説明

気候変動、人口動態、経済ネットワーク……アジア史の視点から俯瞰的に捉えた意欲作
気鋭の東洋史家による、教科書で語られない「真実の日本史」。

日本史の見方が大きく変わる!
漢語資料上の日本/「コピー国家」からの脱却/元寇後も続いた〝政冷経熱?/日本を豊かにした「倭寇的状況」/意図せざる幕府の「鎖国」政策/享保の改革は「中国離れ」/江戸中期に固まった「日本人」の定義/帝国「日本」の誕生/中国の近代をつくった梁啓超の慧眼/「一体化」日本と「多元共存」中国の相剋 etc.

目次

まえがき──東洋史から日本史を捉えなおす
第一章 日本史は中国の“コピー”から始まった 【古代~平安時代】
第二章 アジア・システムからの離脱 【平安時代~鎌倉時代】
第三章 「日本全体が入れ替わった」時代 【室町時代~戦国時代】
第四章 「国家」の成立 【江戸開府~元禄・享保時代】
第五章 「凝集」する日本 【享保時代~開国前夜】
第六章 開国と日中対立の始まり 【幕末~明治維新】
第七章 朝鮮半島をめぐる外交と戦争 【明治時代】
第八章 アイデンティティの破滅へ 【大正時代~昭和時代初期】
結 現代への展望
あとがき
文献リスト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

119
極めてユニークな日本史。律令制、儒教、仏教など、中国の模倣で始まった日本の歴史は、その後、土着化・土俗化で独自性を高めてゆき、中国を中心とする東アジアの秩序と相容れない関係となる。その矛盾を「政冷経熱」として巧妙に乗り切ってきたのに、明治以降、不幸な関係に到る歴史の必然性が浮き彫りになる。著者は、近現代の日中両国のあり方を念頭に、日本の歴史を振り返っている。その史観が唯一絶対かどうかは議論があろうが、近代アジア史の専門家が、あえて日本全史を著すことの意味は十分に伝わってくる。一読の価値がある著作だと思う。2022/01/28

パトラッシュ

112
日本史とは日本だけの歴史であり、外国との関係は侵略したりされたりした場合だけと無意識に思ってはいないか。それどころか政治的文化的に圧倒的な影響力を誇る中国との深い関係を抜きにして、日本史は存在し得なかった事実を痛感させられる。文字や政体を輸入する朝貢国だった古代から離脱が進んだ中世、完全に独自国家となった江戸期から今度は大陸を支配する帝国たらんとした近代まで、日本史は中国抜きには成り立たなかった。戦後70年を経た今日もどう中国と対峙していくか決めかねているほど、対中関係は日本の命運を左右し続けているのだ。2022/01/05

速読おやじ

29
次の話が一番印象に残った:1871年に琉球所属の宮古島の島民が乗った船が台湾に漂着した際に、54名が先住民に殺害された事件を受け、日本は清朝に賠償を求めるも、先住民は中華ではないので支配していない、琉球は日本ではないからと拒否。これが1874年の台湾出兵に繋がり、北京専条で危害を加えたのは日本国属民等であると認めさせ、琉球処分(中国側から見れば侵略?)で沖縄は日本所属となった経緯がある。琉球は清に朝貢しながら薩摩藩に支配されているという西洋社会ではあり得ない状態であったので、これも事をややこしくしている。2022/03/31

小鈴

27
『世界史とつなげて学ぶ 中国全史』を読んてからこちらの本を読むことをオススメする。海に囲まれているため遊牧民の侵略から守られて、多元性が小さい(一元性が高い)社会なのだとわかる。室町から江戸時代初期まで銀で中国の商品を購入していたが、銀が枯渇して自ずと鎖国化(民間貿易の減少)し、更に凝集性の高い社会へ。その結果、いち早く西欧列強のような近代化を成し遂げる。こんなにわかりやすい日本史を読んだことがない。名著。初心者が読んでも日本史好きが読んでも目から鱗の一冊です。2021/12/18

ta_chanko

23
日本は中国王朝を中心とする東アジアの秩序から外れた特殊な国。同じくユーラシアの辺境に位置するイギリスなどと似た特徴をもつ。中国・朝鮮から見れば、儒学の常識を知らない無礼者。日本はその立ち位置を利用しながら、大陸と付かず離れずに歴史を歩んできた。20世紀前半には大陸進出して大失敗に終わったが、これは大陸との違いに対応出来なかった結果。多元的な民族構成で士と庶がバラバラな中国に対し、凝集的で一体感のある日本。今後も歴史や価値観の相違点に注意しながら国際関係を築いていく他ない。2022/01/08

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