徳間文庫 トクマの特選!<br> ジェームス山の李蘭

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徳間文庫 トクマの特選!
ジェームス山の李蘭

  • 著者名:樋口修吉【著】
  • 価格 ¥599(本体¥545)
  • 徳間書店(2021/10発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198946845

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内容説明

【映画化作品・主演女優 名取裕子さん大推薦!】
景色を見ないうちに終わってしまうピクニックのような人生。
けれどこの男性(ひと)となら他にない景色を見られる。
李蘭はそう直感したのでしょう。
最後に避けられない悲劇がやってきたとしても。


【徳間書店社長・小宮英行も男泣き!】
我が社で樋口修吉を復刊できるとは、なんたる幸福。
本作は、猥雑な時代を無頼に生きた樋口にしか書けない大人の純愛小説だ。


異人館が立ち並ぶ神戸ジェームス山に、一人暮らす謎の中国人美女・李蘭。左腕を失った彼女の過去を知るものは誰もいない。
横浜から流れ着いた訳あり青年・八坂葉介の想いが、次第に氷の心を
溶かしていく。
戦後次々に封切られた映画への熱い愛着で繋がれた二人は、李蘭の館で静かに愛を育む。
が、悲運はなおも彼女を離さなかった……。
読む人全ての魂を鷲掴みにする一途な愛の軌跡。
〈トクマの特選!〉第一回配本。

色川武大の解説を再録。

イラスト コテリ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミッフー

37
謎の中華美人の李蘭がタイトルにもなってるわけだし、当然主人公は・・えっ、なかなか李蘭が出てこない💦何事も抜かり無くスマートにやりこなすボギーのようなジゴロ葉介じゃん💦って感じの今まで読んだことないタイプの小説です。内容もゆったりと、さしたる抑揚もく、時は静かに過ぎ行きて、波乱に満ちた葉介の人生も年上妻李蘭により静かで満たされたものになり。ハードなサスペンスやアクシデントを期待する邪な僕なんかより、どちらかと言えば文学少女向けの内容かな🤔でも李蘭の愛読書、チャンドラーの長いお別れ、一度は読んでみたいなと👍 2023/07/01

そーいち

13
ジェームス山とは神戸にある洋館が立ち並ぶエリアの通称。そこに住まう意味ありげな李蘭との恋を描く小説かと思いきや李蘭が登場するのは4章から。この小説は軟派を自称するもアウトローに生きていく八坂葉介を中学時代から李蘭に出会い恋に落ちるまで描く長編のような連作短編のような佇まいの作品。ピカレスクロマンのようになっていくかと思いきや違うのは葉介の不思議な立ち位置にあるのだろう。楽しいのは3章のギャンブル編。樋口さんが後にギャンブル小説で名をはせる要因となった発端がそこにある。ヒリヒリとした空気をしばし感じられる。2023/05/22

NICK6

8
お気に入りの偏愛作家。しばらくぶりの再読。やはり素晴らしかった。今回併読している「銀座ラプソディ」とかなりシンクロキャラがわんさか出てきて(特に極道者)、しかも小説内で相性抜群のフィットで演出させる。ソコマデヤルカの、悪ガキっぷりが、しかし、まるっきり非道&非行っぽさとは無縁で、なぜか清々しい爽やかさに満ちている。後半も、(ださく、熱血ドラマ感皆無の)妥協なき任侠と、相反する純愛がどこまでも感動的で哀切な調べで、極上極楽のリフを奏でる。お出ましキャラが最高なのは勿論だ。我が永久保存のカッコイイ不良小説。 2024/08/21

しい太

5
カバーイラストが良くて(トクマの特選!は大体良い)他は何も知らずに読んだが、プロローグで語られる「李蘭について語るには葉介のことに大半割かないと」という文言が全く嘘でなく、七割読み終えてもまだ李蘭が出てこない構成は今の感覚だと凄い勇気。葉介は少年期からたいがい無頼漢な生活なのだが心根が怖いほど誠実で、人の心を詮索しないし裏切らない。でもポーカーは強くて演技も得意。言ったらなんだけど昭和の男って感じじゃないし、李蘭もファムファタルというよりは情の深い人で、まあとにかく意外な情感のある作品だった。2024/04/16

Good Tomorrow

5
舞台は第二次世界大戦末期の1940年代中期の横濱。米軍占領下の日本。喧嘩、男娼、酒、ポーカーを覚えて、日系アメリカ人ポールについて神戸へ流れて来た八坂葉介。隻腕の中国人美女、李蘭との出会い。1982年の冬、異人館が建ち並ぶ神戸のジェームス山洋館での儚く美しい終劇。妖しくも真剣な愛を描いた物語。楽しかった!この世界観、好きです。ハチとリランをつなぐ往時の映画がたくさん登場するので、詳しかったらより楽しめそう!2021/11/28

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