内容説明
街も給与も教育も、米中の支配下に!?
コロナ禍の裏で、デジタル改革という名のもとに恐るべき「売国ビジネス」が進んでいるのをご存じだろうか?
アマゾン、グーグル、ファーウェイをはじめ米中巨大テック資本が、行政、金融、教育という、日本の“心臓部”を狙っている。
デジタル庁、スーパーシティ、キャッシュレス化、オンライン教育、マイナンバー……
そこから浮かび上がるのは、日本が丸ごと外資に支配されるXデーが、刻々と近づいている現実だ。
果たして私たちは「今だけ金だけ自分だけ」のこの強欲ゲームから抜け出すことができるのか?
20万部超のベストセラー『日本が売られる』から3年。
気鋭の国際ジャーナリストが、緻密な取材と膨大な資料をもとに暴く、「日本デジタル化計画」の恐るべき裏側!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きみたけ
127
著者は国連と米国野村證券の職歴を持つ国際ジャーナリストの堤未果さん。堤さんの本は初めて読みましたが、なかなか興味深く一気に読了しました。無法地帯の仮想空間から全てを動かすアメリカの巨大IT企業や、新通貨でプラットフォーマーの座をねらう中国、「今だけ金だけ自分だけ」の強欲資本主義によって日本の「心臓部」が奪われようとしている現状を明かした一冊。第一章「政府が狙われる」はデジタル庁やスーパーシティの話。第二章「マネーが狙われる」はデジタルマネー戦争の話。第三章「教育が狙われる」はオンライン教育の話。2023/04/22
trazom
124
「政府」「マネー」「教育」の三つの分野について、海外のデジタル化の事例(特に負の側面)が紹介され、盲従しようとする日本の危うさが浮き彫りになる。デジタル化すればバラ色の将来が来るとする単純な礼賛論にあえて警鐘を鳴らす趣旨は納得するが、一方、新自由主義とデジタル化を混淆したような著者の主張にも疑義は残る。ただ、ビッグテック企業主導のデジタル化の流れが、世の中から「公共」という概念を喪失させ、人間の分断につながりかねないという指摘はその通りだと思う。私は、特に「教育のデジタル化」に対して強い警戒感を覚える。2021/10/25
遥かなる想い
123
2022年新書大賞第4位。 デジタル時代に潜む海外の脅威を描く。 キャッシュレス化が進む韓国・中国を事例に、 デジタル化のリスクを語る…便利さと セキュリティとが 天秤にかけられる時代に どう生きるのか?技術の進化が世界を変える… そのことを実感する本だった。2022/04/14
rico
116
著者の立ち位置を考慮し若干引き気味に読んではみたものの、やっぱり滅入る。巨大プラットフォーマーを使い倒し、デジタルの海をかろやかにわたっていくデジタルネイティブに羨望を感じつつ、処理しきれない膨大な情報に溺れるのが怖くてガラパゴスを決め込んでも、スマホの位置情報や電子マネーの利用状況で行動履歴は丸裸だし、ネット閲覧履歴で関心事や思考もだだもれだし。その危うさを理解しても距離を置くのは難しい。割り切って「便利」や「お得」を享受するしかないのか。それにしてもGAFA、そんなに儲けてどうするのだろう・・・・2022/04/16
Lara
112
スマートシティ計画、キャッシュレス化、教育産業のデジタル化、読み進める内に、気分が悪くなった。行政も公務員を減らし、5Gを軸に民間のAIに任せる。どれもこれも「今だけ金だけ自分だけ」の強欲資本主義がもたらす。なんだか暗い未来を描いてしまったが、最後に著者の堤未果氏からは、これで良いわけないですよね、と言う思いがひしひしと伝わって来る。手書きのメモ、紙の新聞、紙の本、生身の人間同士の付き合い、それらが、いかに人間の成長にとって、大切で不可欠なものかを気づかせてくれた。2021/10/07