内容説明
ひょうすべに支配され、暴力と抑圧が加速する世界で、詩歌は生き延びることができるのか……腐敗した現代社会に亀裂を穿つ、笙野頼子の新たなる地平!
【あらすじ】
「NPOひょうげんがすべて(ひょうすべ)」と「知と感性の野党労働者党(知感野郎)」が政権を握った国・にっほん。そこでは人殺しの〈自由〉、弱者を殴る〈平等〉、餓死と痴漢強姦の偏りなき〈博愛〉がまかり通っていた――。
千葉県S倉市に住む埴輪詩歌は、「指導教授」でもある最愛の祖母・豊子をひょうすべに殺される。母が営む花屋は世界企業に潰され、父は「少女遊郭」に入り浸り死んだ。やむなく詩歌は少女遊郭の「ヤリテ」見習いに入るがたちまち馘、そこで出会った夫も、人喰いの餌食に。時は流れ、権力者からの求愛、世界を揺るがす手紙がもたらされたのだが……詩歌の〈生〉とは何であったのか!?地に堕ちた自由と民主主義を問い直す、予言的物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょき
42
「闘う作家」「アンチネオリベラリズム」を自認されている著者の意見小説。毎月朝生TVをかかさず見ており、右から左まで様々な言論界の住人の意見を拝聴して自分なりの意見をもっていると自認している私にとっては、話題が発散しすぎて、もう少し論旨を論理的に組み立てて書いて貰わないと何が何やらといった感じ。数々の文学賞を受賞されているので、もっと文学として表現の面白さを読むべき小説なのかもしれないが、小説かどうかも不明である。もっと楽しい小説を!なんて書くと昔の純文学論争がまた首をもたげてくる。(Wikipedia参照2017/01/18
TATA
30
新聞に紹介されていたことから手に取った一冊。笙野さん初読み、だけど最初に読むべき本ではなかったと思います。非常に濃度の高いメッセージが込められており、理解するためには過去の著作を紐解かねばならず、極めて難解。一貫した主張は一旦は理解できても自身で咀嚼し反論(賛意でもいいのでしょうが)を形成する余力がありません。トランプさんの就任でTPPが遠ざかりつつある中、日本の美徳と地域の多様性があり続けられるのか見定めていくことが子の世代以降に貢献することなんでしょう。2017/01/15
おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ
28
ジジイになった。階段の昇降で息が切れるし目も悪い。それなのに、ちん◯はまあまあ元気で、困る。いや、正確にはとくに困るには至っていない。何とか仕事して、とりあえずメシは食えて、いろんな事が困るには至らず今はどうにか生きている。絶望の崖っぷちで泣いてばかりいた頃に比べたら充分に足りているはずなのに、私のちん◯は夜な夜な盗んだバイクで走り出し、教室の窓ガラス壊してまわる。楽には生かしても死なしてもくれないようだから、あともう少し、残された時間にも衰えにも抗ってみようかと思う。辿り着くかどうかはわからないけれど。2020/06/11
阿部義彦
24
炭鉱のカナリアか!笙野頼子恐るべし。私の中で特殊小説家というと舞城王太郎の事ですがそれより前に元祖特殊小説家、絶対敵に回したくない最終兵器笙野頼子がいたのじゃ。おおそうじゃ。笙野さんさんの小説はかなり昔の「説教師カニバット」以来ご無沙汰してましたが、帯の松田青子、武田砂鉄絶賛!に惹かれて読んでしまいました。てっきりTPP反対の時評みたいなのかな?と思ったら何ともグロテスクな近未来SFもどき、男はロリコンで2次コン、雑巾がけを志願して殺されるディストピア、政府は売春公社となりはてての地獄絵図。もう言えねえ2016/12/04
こうちゃ
20
☆3 「NPOひょうげんがすべて(ひょうすべ)」と「知と感性の野党労働者党(知感野郎)」が政権を握った国・にっほん。これは地に堕ちた自由と民主主義を問い直す、予言的物語であるらしく、著者の熱くたぎるような想いが溢れまくっている。初読みの作家さんだったこともあり、読むのに思いのほか時間がかかってしまった。 2017/04/27
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