講談社学術文庫<br> 中世イタリアの都市と商人

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講談社学術文庫
中世イタリアの都市と商人

  • ISBN:9784065250594

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内容説明

海賊さながらに武装する商人、巨大化するガレー船、移住する地主と小作人、都市・農村行政を支える公証人……。
古文書館に眠る証書や帳簿、登記簿などの史料を丹念に掘り起こし、中世イタリア都市社会・地中海世界を生き生きと再構成。のちの中世イタリア史研究の芽はすべてここにあるとも形容される、稀代の中世社会史学者の到達点。
(解説:池上俊一)

 * * *

[本書の内容]
1 地中海商業と海賊
2 ジェノヴァ・キオス・イングランド
3 地中海貿易とガレー船
4 イタリア中世都市の「市民」と「非市民」
5 中世末期イタリアにおける職人・労働者の移動
6 中世末期イタリアにおける公証人の活動
7 イタリア中世都市論再考
8 イタリア中世都市論再考――清水廣一郎氏遺稿
解説 かけがえのない細部を慈しむ 池上俊一

目次

1 地中海商業と海賊
2 ジェノヴァ・キオス・イングランド
3 地中海貿易とガレー船
4 イタリア中世都市の「市民」と「非市民」
5 中世末期イタリアにおける職人・労働者の移動
6 中世末期イタリアにおける公証人の活動
7 イタリア中世都市論再考
8 イタリア中世都市論再考――清水廣一郎氏遺稿
解説 かけがえのない細部を慈しむ 池上俊一

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

穀雨

7
中世イタリアの都市を専門とする研究者が、1980年代に発表した論集。特に専門知識がなくてもすらすら読み進められるので、エッセイ集に近いといえるかもしれない。とりわけ興味を引かれたのは、ジェノヴァの貿易構造を論じた「ジェノヴァ・キオス・イングランド」。19世紀の「キオス島の虐殺」で有名なキオス島だが、中世のジェノヴァにとってこれほど重要な存在だったとは知らなかった。2022/10/04

人生ゴルディアス

7
最近読み進めている清水廣一郎の著作三冊目。刊行月見たら先々月で、よき偶然。相変わらず読みやすくて情報量が多い。度量衡がわかりやすい。都市の教区と都市面積から、一つ当たり教区が何ヘクタールくらいだったかとか示してくれる本は非常に希少です。滅多に見かけないのは、現代の基準だと突っ込まれたりするからなのかな。ガレー船に関する言及も、船専門の本よりわかりやすい…。三角帆と横帆の差をわかりやすく説明してくれるのを見たのは本書が初です。また本書にはグイン・サーガを思い出す遺稿が載っている。長生きして欲しかったですね。2021/12/12

maqiso

6
中世の地中海ではイスラムとキリストの各国が入り乱れ、船乗りは場合に応じて交易と略奪を行った。多数の漕ぎ手と三角帆をもつガレー船は小回りが効くため軍事的に有利で、高価な香料の貿易に使われた。大型の帆船は安価で重いワインや穀物の輸送に使われた。イタリアの諸都市は国有の船団でインド洋から北海まで交易し、喜望峰ルート開拓後も栄えていた。イタリアの都市は周囲の農村や山岳地帯や外国から労働者を受け入れつつ、少数の永住者の共同体によって統治された。内容はわりと雑多。2022/03/05

泉を乱す

5
ガレー船のところ少し飛ばした2025/07/06

Fumoh

3
タイトル通り中世イタリアの都市と商人の姿を深堀りしていく本ですが、実際の論題はもうちょっと幅広いです。ヴェネツィアとジェノヴァの海運貿易・国家体制の違いや、イタリア特有の都市生活の構造、公証人や職人といった職業、また「市民とは何か」という論題まで広く取り扱っております。中世の地中海貿易が、半ば戦争のようなものであったこと、商船とは即ち軍船であったことは面白いと感じました。また明礬や香辛料を巡る利権争いが歴史を作っていったのは、まさに中世の裏側のリアルだなと思われました。剣と戦争の歴史と断じられそうなところ2025/04/27

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