職業は専業画家 - 無所属で全国的に活動している画家が、自立を目指す美

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職業は専業画家 - 無所属で全国的に活動している画家が、自立を目指す美

  • 著者名:福井安紀
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 誠文堂新光社(2021/09発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784416521274

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内容説明

美術業界初! 創作者が活動するときに直面する「お金」の問題、接客方法など、今まで語られなかった作家の手の内を公開!!

一生、絵だけを描くことに専念したいと考えた著者は、30歳のときから20年間、専業で絵を描く画家として、無所属でさまざまな創作活動を展開しています。
そして、より多くの画家、造形作家、アーティストたちが自立し、創作に専念することを希望して情報交換の場「話します会」を開いてきました。

本書では、専業画家を続けている著者の活動や独自の考え方を紹介するとともに、
・なぜ24時間、100パーセント画業に専念することを目指すことが望ましいか
・どのように活動を展開させれば、本当のプロになれるのか
・「自分のお客さん」のつくり方
・制作依頼の獲得をはじめ「仕事の取り方」をどのようにしているのか
・作品の価格はどのような根拠で設定すればよいか
・接客の仕方はどうするか
など、今まで誰もオープンにしてこなかった「美術の世界で生活するノウハウと方法」を丁寧に、わかりやすく解説します。

「自分の絵で生活しようとする人は、自営業者です。
経営者に雇われる感覚ではなく、自分が経営者となって、どのようにすれば自分の美の活動が展開できるのか、継続できるのかを主体的に考え、行動することが大切だと考えています。」本書より

目次

【天の章 活動の基礎となる心について】
I 専業で活動できる作家を目指してほしい
絵で生活できるということ/私の活動の展開の話/江戸時代の絵師も、もちろん専念して活動していた/未来の人の文化力のために、今の私たちも、がんばらなければならない/専業で活動できる作家を増やすための「話します会」―情報交換が大切だという話
II 自信をもって踏みきること
出会いを糧に進化する/自信をもって専業の世界へ踏みきること

【地の章 お金のこと】
I 絵を描き続けるために―必要な基盤と考え方
描くための環境づくり/結婚や子育てについて/卒業後の進路選択/金銭的に貧しい生活をいかに成立させるか/固定費をいかに抑えるか
II 見ず知らずの方でも作品を求めるということ
他人が作品を求めることは、特別なことではない/作品を求める人が大切にしていること
III 絵の値付けの考え方
考え方の基本―あなたの絵の価格はあなたが決める/作品を求める側から見た価格/販売価格の実績―京都の路面画廊にて/生活できるための値付け―「目標平均価格」という考え方
IV 注文を受けやすくする
注文を受けるための二つのポイント/「ふすま絵プロジェクト」を立ち上げる
V 収入を増やすための活動の拡大
個展回数を増やすために、いろいろな街で個展をする/絵の在庫が減る/グループ展はおすすめしない/各地での個展の事例/貸し画廊と企画画廊を組み合わせて活動する/作品・作家の質と活動の量/おのずから拡大する時もくる/一つの出会いからのつながり/
見つけてもらう大切さ
VI 作品の原価について考える
作品にとって本当に必要なこと/私が考えている新しいテーマ、または方向性―住宅のトレンドと絵の表現の関係/社会が大きく変化する今が、チャンス

【人の章 お客さんとのつながりについて】
I 「自分のお客さん」をつくる
「自分のお客さん」は 自分でつくるという考え/出会える画廊を選ぶ/「ギャラリーいわき」のオーナー 藤田忠平さんの話
II 接客に関すること
個展には必ず在廊する/楽しんでもらうことが第一/住所を書いてもらう
III お客さん獲得のための考え方と工夫
自分を「さらけ出す」こと/出会いを成長させること/SNSの活用/支えたくなるアイデンティティ
IV 目標は「自分の特別なお客さん」30人
たった30人/メジャーと地下(インディーズ)

新型コロナなど社会情況が変化する中で/美について1/心について/あなたに伝えたいひと言
対談1 田住真之介さん
対談2 山本太郎さん
インタビュー 服部しほりさん
福井安紀 作品と年表
私の個展スタイル―より楽しんで見てもらうための工夫/美について2/「花」について―『風姿花伝』になぞらえて/これから私ががんばること
技術資料 寒い空間でも描くことができる水干絵具の練り方/「土・石・砂で描く」/描き方について

コラム

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yyhhyy

4
画廊に所属しない専業画家にどうやってなったのか?の記録。感性が鋭い画家は個展中の客の動きを細かく観察しているし心理の洞察も深い。マーケターの能力がある2023/11/04

ヨコ(hitoshio)

3
一気読み。とてもリアリティがあり「芸術を生業にする」という生き方を一歩踏み込んで描いてあった。挿絵もかわいくて作者の遊び心というか人に対する思いやりを随所に感じられる。「情念と情熱と現実のすり合わせ」という言葉にうなってしまう。2021/07/01

takao

2
ふむ2023/01/08

yo_c1973111

2
一般の自営業ではなく、アーティストとして食ってけるのか?を誠実に書かれている印象で、今まで経験がない本です。本筋もブレずにしっかりとしているが、ちょいちょい挟まれるコラムが(自筆のイラスト付きで)本編の補完以上の働きというか、この本の魅力になっている。内容には触れないが、アーティストとしてアーティストを盛り上げたい(=マーケット)、目的意識の高さを認識できる良著です。2021/08/29

Nekotch

2
「絵で食べていくには」というテーマに息苦しくなることなく、ビジネスビジネスしすぎずにふわりと日常にインストールできそうなやさしさ。「そういうやり方もあるのか」というかたちで、八方塞がりな思考に光を落としてくれる。良い食器で脳をだます生活のアイデアは「たしかに、お気に入りのブランドの服を着ていれば自己肯定感を下げることなく息をしていられるよね」と共感。描いたものを求めてくださる方がいて、対価を払いたいと言って下さる方がいて、そういった縁と機会を大切に、とりこぼさずに形に変える道を考える。2021/07/18

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