内容説明
自分に自信のない若手僧侶・仁心は、岩手の寺の住職・田貫の後継としてはるばる高知からやってきた。田貫は供養の為ならゲームもやるし、ぬいぐるみ探しもする少々変わった坊さんだった。面倒に巻き込まれつつも師として尊敬しはじめる仁心だが、田貫には重大な秘密があり……。後悔のない人生なんてない。「今」を生きるための力をくれる物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
machi☺︎︎゛
149
ちょっと変わった装丁に目を引かれて購入。タイトルとイラストからお寺の話だとは分かったけれどまさか僧侶の求人があるなんて知らなかった。自分に自信がなくて居場所がないと感じていた若手僧侶の仁心は岩手にある寺の僧侶の後継者として高知からやって来る。自身の親問題、檀家たちのさまざまな問題、現住職、田貫の秘密、などなど。一つずつ丁寧に解決していき僧侶として成長していく。人の生き死にについて深く考えてしまう話だった。2022/01/13
ぶち
100
新しい住職候補の募集をした寺の名前は鐘丈寺(しょうじょうじ)、ご住職の名前は田貫(たぬき)。えぇぇ、これじゃまるで狸囃子....おやおやユーモア系の小説? と思いきや、違っていました。募集要項に応募してきた若い僧侶も、檀家総代の孫娘も、檀家の面々も、それぞれに鬱屈や悩みを抱えているのです。笑ってなんかいられません。そして、ご住職にも重大な秘密が.....読み終ったときには有難い法話を聞いたような気持になり、小説のそこかしこに散りばめられた仏教の言葉が自然と胸に沁み込んでいるのです。2021/11/13
タイ子
99
ネットの募集ではるばる高知から岩手のお寺にやってきた若き僧侶・仁心。お寺の住職は田貫恵快。これがまた尊敬に値する僧侶で諸行無常を胸に檀家を一人でこなしている。でも、残念ながら恵快の余命はあと1年。大震災で家族を失った人たちがいる、年を経ても消えない寂寥感がある。彼らと共に生きる覚悟をする仁心。恵快亡き後、知らされた彼の重大な秘密。そして、仁心がずっと抱えてい誰かを憎む意味。人は何かを背負いながら生き、何時かはそれを下ろす時があるんだな。ホロリと泣けて、クスリと笑える。おかげさまの言葉が沁みる。2021/10/23
みかん🍊
92
高知の観光寺から岩手の寺の募集により転職してきた仁心の住職として成長していく姿が描かれている、住職恵快の余命宣告ありきの募集なので覚悟はあるとはいえ辛い、まだまだ震災で大切な人を亡くした人たちの心は傷は癒える事はなく、死を扱う住職は避けては通れない、未来を見れば不安になる過去を見れば後悔する今だけを見るといいよ 死者を弔うことで生者救える時がある、恵快の教えを胸にこの寺を守っていく、日本人はどこかに仏の種を心の中に持っているんだと思える。ちょっとしたミステリもあり心に刺さる言葉もあり面白かった。2021/12/22
やも
81
先代住職が病のため余命1年。そこのお寺の新住職になるお坊さんが主人公。死は絡めどもほっこりストーリーかなって思ってたけど、後半明かされる真実にびっくり…。マジ?の気持ちと予想外のミステリー風味もあって、ページをめくる手が止まらなくなった。人生なにごとも「おかげさま」。今を見つめれば変わることを恐れない。それが生きてる人間の強み。お坊さんだって誰だって、悩む1人の人間なんだな。私も今悩みも楽しいこともある。きっと生きてる人間皆がそう。それでいいんだよね。だって色んな感情も、生きているからこそだもの。★4.52022/02/24
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