筑摩選書<br> 中国共産党、その百年

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筑摩選書
中国共産党、その百年

  • 著者名:石川禎浩【著】
  • 価格 ¥1,815(本体¥1,650)
  • 筑摩書房(2021/10発売)
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  • ISBN:9784480017338

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内容説明

2021年で結党100年を迎える中国共産党。現在、約9200万の党員を擁する超巨大政権党だ。結党から30年足らずで中華人民共和国を建国し、70年以上にわたってこの国を統治してきた。「党がすべてを決定」「絶対服従」「鉄の規律」といった組織原理はいかにして形成され、最高指導者・毛沢東は、この党にどのような影響を与えたのか。世界史的な展開を視野に収めつつ、今日に至るまでの中国共産党の歩みを多角的に浮かび上がらせた最良の通史である。

目次

はじめに──中国を支配する者
第一章 革命の党の出発
1 「中国共産党」の起源
2 コミンテルン──中共DNAの来源
3 党の結成──国際共産主義の時代
4 国共合作──似たもの同士
5 国民革命──最初の革命体験
6 共産党の政治文化──「新しい生き方」の衝撃
コラム① 《インターナショナル(国際歌)》──永遠のプロテスト・ソング
コラム② 流行歌成立以前──歌われない国歌
コラム③ 中国最初の流行歌──《国民革命歌》
第二章 権力への道
1 農村革命と中華ソヴィエト共和国──革命根拠地という場
2 長征──党自立への転機
3 統一戦線と西安事変──党の内外
4 抗日戦争と遊撃戦──誰が誰と戦うのか
5 毛沢東の党の確立──整風運動の功罪
6 政権党へ──内戦の勝利と人民共和国建国
コラム④ 共産党と軍歌──《三大紀律 八項注意》
コラム⑤ 作曲家の政治性──流亡三部曲と張寒暉、劉雪庵
第三章 毛沢東とかれの同志たち
1 毛沢東を知ることの意味
2 毛沢東のパーソナリティ──どんな青年が共産党員になったのか
3 党の首脳たち──「忠臣」と「佞臣」
4 毛沢東と文──書斎の中の皇帝
5 毛沢東の遺産──法と歴史
コラム⑥ 毛沢東「作詞」の歌──毛主席詩詞歌と語録歌
コラム⑦ 「紅い歌」の浮沈──李劫夫と王双印のその後
第四章 人民共和国の舵取り
1 巨大政権党の今昔
2 戦争の中の船出──新生国家の原体験
3 改造される人々──イデオロギーと運動に満ちた社会
4 姿をあらわした社会主義──中国型計画経済と反右派闘争
5 大飢餓と大動乱──大躍進と文化大革命の発生
コラム⑧ 国歌になった救国映画の歌──《義勇軍行進曲》
コラム⑨ 第二の国歌──《東方紅》
第五章 革命を遠く離れて
1 脱文革の模索──何が中国共産党をもたせたか
2 「改革開放」の光と影──一九八九年の民主化運動
3 ナショナリズムの呼び声──愛国者の党への換骨奪胎
4 経済発展のその先に──中国モデルの価値
コラム⑩ 建党人士の息子と最高指導者の妻──《希望の田野で》
コラム⑪ 中国の流行歌の特徴──語彙を統計的に分析する
コラム⑫ 天安門広場に流れる歌──《血染めの勇姿》
コラム⑬ 「祖国」への想い再び──《我が祖国》のリバイバル・ヒット
おわりに──百年目の試練
あとがき
図版一覧
主要参考文献
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

59
中国共産党の歴史についてまとめられた本だが、今日の政策(例えばデジタルレーニン主義、民族問題、コロナ対策など)にも触れられている。文体は平易ながらも、党の歴史を通じて中国近代史の勉強にもなる。日本との関係は、創設にも関わりがあったようだ。『共産党』という用語は日本語からである。流行歌や宣伝(共和国の初期にはスピーカーを使用したらしい。)について多く言及されていたのは卓見である。元はフランスの物で、ソ連の国歌でもあったインターナショナルや、東方紅といった歌があるが、現在革命歌は流行っているのだろうか。2021/09/22

Sam

58
いまや中国のことを意識せずに1日たりとも過ごせない。ブランコ・ミラノビッチの「資本主義だけ残った」がいう通り、もはや中国は共産主義国家というよりは資本主義世界において欧米諸国と覇権争いをしている国家(「リベラル能力主義資本主義」VS.「政治的資本主義」)として見るべきだと思うが、それにしても建国以来いまに至るまで共産党一党支配のもと、いくつもの失政を重ねながらも逞しくしたたかに自己変革を図ってきたというのは驚異的なことだと思う。こうした中国の歴史を理解するために本書はとても興味深く、勉強になる一冊。2022/05/24

樋口佳之

54
統治者の老いと判断能力の低下によってすくんでしまう社会と国家、それに伴う指導者の孤独と不安、そしてそれが引き起こすさらなる沈滞、それは政権の交代ルールを持たない体制では、避け難く周期的にやってくる/どこの国のことかと読めてしまった感。2023/05/21

おたま

33
この本は、私のこれまの中国(共産党)に対する疑問を解決し、理解を深めてくれた。これまで、長征から中華人民共和国成立までの時期の、毛沢東が指導する共産党は、大変柔軟で中国の人民(特に農民)解放に多大な力を発揮した、その中国(共産党)が何故現在のような中央集権的で、覇権、抑圧を行うようになったのかが疑問だった。がしかし、この本で、中国共産党が当初からボリシェヴィズム、レーニン主義、つまりは「鉄の規律」を持つ前衛党による人民の指導をこそソ連から導入したことを知り、大変納得できた。毛沢東自身もまたそうだった。2022/02/09

小鈴

29
めっちゃ面白い。二章までについて感想を。「中国では、共産主義思想はその初発から、ボリシェヴィズムとほぼ同義のものとして理解され、受容」、「中央集権的組織原理、鉄の規律に代表される顕著な前衛主義、中央と各支部間のハッキリした上下関係など、今日の共産党の活動原理と見なされているものは、すべてコミンテルン、あるいはその中核足るロシア共産党の起源」30。マルクス主義の思想はアジアの先進国日本から書籍を輸入(日本語の翻訳を中国語に)したが、活動方法はソ連の指導による。鉄の規律、絶対服従の精神はコミンテルン由来!。2021/08/04

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