内容説明
ドイツの哲学者、フリードリヒ・ニーチェ。
「神が死んだ」「ニヒリズム」「超人」「ルサンチマン」……。
私たちがいま当然のこととして見なしている考えの多くが、実はニーチェに由来しています。
ニーチェを一度も読んだことがなくても、知らず知らずのうちにニーチェ的にものごとを考えています。
意識するかどうかにかかわらず、私たちはニーチェの掌の上で踊らされているのです。
「どう生きていくのか」という問いが、ニーチェの生涯の最初から最後まで貫いていました。
彼の思索は、すべての人に何かしらのヒントを与えてくれます。
現在の生きづらい世の中で、ニーチェを読んでみてはいかがでしょうか。
序 章 ニーチェって、どうして人気なの?
第1章 ニーチェを知ると、何が変わるか?
第2章 神が死んで、どうなるか?―「神は死んだ」
第3章 生きる意味なんてない―「ニヒリズム」
第4章 真実はひとつではない―「パースペクティブ主義」
第5章 妬みが道徳を生み出した―「ルサンチマン」
第6章 人間の向こうに何があるか―「超人」
第7章 遊び、そしてパロディ―「永遠回帰」を生きるヒント
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ta_chanko
20
超人・ルサンチマン・ニヒリズム…。ニーチェのオリジナル概念だと思っていたが、先行者のパロディだったとは…。生きること自体に意味はない。生き甲斐を見出だすことも、芸術や音楽で気を紛らわせることも、生の本質ではない。永遠回帰の退屈の中で、それでも生きるために生き抜くことができるのが超人。駱駝→獅子→子ども。子どものように、遊びに没頭するように生きることが生の本質。真に生きられない人たちが、妬みから作り出す奴隷道徳にも注意すべし。2021/12/10
ひみーり
17
本書は特段難解な本ではなく、むしろ分かりやすく書かれていると思うが私は哲学の本を読んだことがなく(多分)上手く理解が進みにくかったので本書を読む前に、「教養として学んでおきたい哲学」か他の哲学入門書を読むべきでした、読む順番を間違えた。ルサンチマン、ニヒリズム、ツァラトゥストラなど耳にしたことはあるがよく分かっていない哲学者の代表みたいな感じですよね。2024/06/20
アルカリオン
11
KindleUnlimited〝神は死んだ〟と言うのはニヒリズムの言い換えであり、キリスト教の神を信じるか信じないかといっただけの問題ではなく、むしろ私たちが「絶対的だと思うような考え方や生き方を正当化できるようなものは何もない」ということを表現しているのです。p53▼私たちは「絶対的な価値」「絶対的な真理」「絶対的な目的」「絶対的な美しさ」といった、誰がなんと言おうと正しい、みたいな発想は持っていません。ある地域、ある時代において、特定の人には美しいかもしれないけれど、それ以外の人には美しくない。p392024/09/16
流之助
9
ニーチェと言われて思いつくイメージはパロディに基づくもので、後世の人や彼を解釈する人達によって今私が想像するイメージが固定されてしまっていたことに気付かされる。哲学については、原書を読むよりも「いまどんな人がどのようにこの本または思想を解釈しているのか」にフォーカスする方が私は楽しい。でもいずれ原典にあたりたい気持ちはある。2023/08/27
Janjelijohn
7
そんなに分厚くない本だけど、ニヒリズム、超人、永遠回帰などのニーチェの思想を辿る重要なキーワードについてわかりやすく解説されている。 びっくりしたのは、ニーチェにとって人が生きる意味はないと考えていたこと。君たちはどう生きるか?という思想と真逆であることに驚きを覚えた。2023/08/14