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内容説明
家族に悩まされた経験を持つ人は少なくないだろう。配偶者のモラハラや支配的な親きょうだいの言動に「いっそのこと……」と思ったことはないだろうか。実際、日本の殺人事件の半数は家族間で起きている。家族の悩みは他人に相談しにくく、押さえ込んだ感情がいつ爆発するかわからない。傍から幸せそうに見える家族ほど、実は問題を抱えていることも多い。子どもへの度を超えた躾、仮面夫婦や夫と姑の確執、きょうだい間の嫉妬による殺人など理由はさまざまだが、そこに至る背景には一体何があるのか? 多くの事例から検証し、家族が抱える闇をあぶり出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみきーにゃ
77
作者読み。実例に沿って話しが進むので理解しやすい。どんなに円満そうに見えても実は仮面夫婦だったりわからないもの。実子殺しの精神はどんな理由があるにせよ、やはり理解出来ない。2022/07/16
HANA
67
血は水よりも濃いと言うが、一旦拗れ始めたら手に負えない。本書は家族間で起きた殺人事件を動機や報道、その後等多彩な観点から分析した一冊。一時期ニュースで見なかった日はない野田市小四虐待死事件始め岩手妊婦殺害事件、元農水事務次官次男刺殺事件と、記憶に新しい事件が深堀されている。ただ殺す側の動機について筆が費やされているが、それでもやっぱり殺人だけはいかんと思うのですよ。家族だからというか、いっそ家族だからこそ逃げ場がないというか。最後のケースもそうだけど、問題や世間から逃げるって行為もよく考えるべきだなあ。2021/12/30
こばまり
57
置かれた状況、環境によっては家族から逃げるのも一手と思う。世間の耳目を集めた事件や、梁石日の小説もかくやといった事例を紹介しているが、全体的に駆け足な印象。じっくり掘り下げたものを読みたい。2022/01/12
湯湖
12
「普通じゃない」家庭の事情を外部に打ち明けるのは、考える以上にハードルが高い。そして相談窓口にさえ辿りつけない人の多きことよ。2021/11/29
れに
10
家族間の問題は根強い。逃げたくても根本的にも物理的にも逃げられないことってある。それを自己責任だなんだって周りの何も知らない連中に言われてもね…って感じだ。すっごく言葉は悪くなるけど自分を守るためには相手を殺さなきゃいけなかったってことも私はあると思っている。結局世間って冷たいし、頼れる機関だってなかなかないし、結局そういう機関は使いづらくて断念することだってある。家族間だから縁が切れないからこそ殺すしかないという状況まで追い詰められる人たちがいるということをぜひこの本を読んで知ってほしいと思った。2025/03/27