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内容説明
家族に悩まされた経験を持つ人は少なくないだろう。配偶者のモラハラや支配的な親きょうだいの言動に「いっそのこと……」と思ったことはないだろうか。実際、日本の殺人事件の半数は家族間で起きている。家族の悩みは他人に相談しにくく、押さえ込んだ感情がいつ爆発するかわからない。傍から幸せそうに見える家族ほど、実は問題を抱えていることも多い。子どもへの度を超えた躾、仮面夫婦や夫と姑の確執、きょうだい間の嫉妬による殺人など理由はさまざまだが、そこに至る背景には一体何があるのか? 多くの事例から検証し、家族が抱える闇をあぶり出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみきーにゃ
75
作者読み。実例に沿って話しが進むので理解しやすい。どんなに円満そうに見えても実は仮面夫婦だったりわからないもの。実子殺しの精神はどんな理由があるにせよ、やはり理解出来ない。2022/07/16
HANA
66
血は水よりも濃いと言うが、一旦拗れ始めたら手に負えない。本書は家族間で起きた殺人事件を動機や報道、その後等多彩な観点から分析した一冊。一時期ニュースで見なかった日はない野田市小四虐待死事件始め岩手妊婦殺害事件、元農水事務次官次男刺殺事件と、記憶に新しい事件が深堀されている。ただ殺す側の動機について筆が費やされているが、それでもやっぱり殺人だけはいかんと思うのですよ。家族だからというか、いっそ家族だからこそ逃げ場がないというか。最後のケースもそうだけど、問題や世間から逃げるって行為もよく考えるべきだなあ。2021/12/30
こばまり
56
置かれた状況、環境によっては家族から逃げるのも一手と思う。世間の耳目を集めた事件や、梁石日の小説もかくやといった事例を紹介しているが、全体的に駆け足な印象。じっくり掘り下げたものを読みたい。2022/01/12
nekosogi
5
この本が入ったバッグを落としたのだが、受け取りに行った交番で犯罪者を扱うような感じで対応されたよ。トホホ。 当たり前なんだけど、週刊雑誌を読む以上に取り上げた事件に詳しく、背景も書いてあり、紹介された事例とならなかった事例と比べてみたくなった。 どなたかのコメントでもあったが、最後の事例は確かに「血と骨」を彷彿とする。 2023/10/05
やん
4
序盤は読み応えがあったが途中でちょっと物足りなさを覚えた章もあった。新書だから仕方ないか。家族間で特にトラブルがあるわけではないが、自分も殺す側・殺される側になりかねないという意識は心の奥底にある。この世には出来心というものがあるから、使った包丁はその都度すぐしまうようにしている。家は安心できる場所であって欲しい。2023/09/22