内容説明
「指が、ずぶずぶ沈んでいく…」
新幹線で突然、男に手首を掴まれた女性。
冷たい指が肉の中まで…
(「ナタデココの手首」より)
夜と朝、心と心の隙間に爪立てる不穏な恐怖実話!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
53
実に実話怪談らしい一冊だった。不意に訪れる奇妙な一瞬、黄昏刻。因果も解決もない、ただつむじ風のようにはためいて去る、それだけの関わり。恐怖の一時が過ぎた後に残るのは、ただ奇妙な体験をした、という記憶のみ。2023/02/08
qoop
12
怪談を読み続けるとどうしても類話や類型のある話に多く当たるようになるため、オリジナリティの高い怪談に惹かれ、求めてしまう。しかしその反対に、類話を読めば読むほどその中で抜きん出た話に出会う驚きもまた大きくなっていく。本書はアベレージの高い実話怪談集だが、中でも人形にまつわる〈横にすると目を開ける〉と、こっくりさんが登場する〈「は」「る」〉は後者の意味で出色の出来だろう。どちらも展開が複層的で印象深い。2021/10/13
misui
7
おばけ話にとどまらない広い意味で奇妙な話を集めた怪談集。わりと描写が細かくて怪異もなかなか込み入ったものが多く、読んでいて息切れするようなところがあって、別に悪いわけじゃないんだけどなんだか引っかからないまま読み終えてしまいました。文通から始まる怪談「「は」「る」」、鈴の音に追われる「鈴の音」、イマジナリーフレンド話「神田の蕎麦屋」、少年時代の思い出を描く「家は巻き戻す」など。2023/03/16
はみ餅
4
怖いのに人を不快にさせない語り口が好きです。2022/06/08
晴
4
読みやすく面白かった。好きな話も結構あった。2022/04/30