お笑いジェンダー論

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¥1,980
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お笑いジェンダー論

  • 著者名:瀬地山角
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 勁草書房(2021/10発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326652624

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内容説明

「よりよい性の商品化を」「フェミニズムは女のものか」など、挑発的・根源的な発言で注目されている著者が、ジェンダー、セクシュアリティ、男性差別、子育て、主婦優遇政策について、楽しくわかりやすく縦横無尽に語りおろす。チビとダイエット、バストとハゲ、男女のおごりの力学、不倫・性道徳……身近なはっとする例をひいて性別による抑圧や問題性を突く。とくに、性の商品化については、この難問をタブー視せずに自由に議論しようと提唱。ポルノ、売買春、性労働、性犯罪にかかわる課題を一つ一つ明らかにしていく。単に禁止したり規制するだけでなく、多様な性の規範の共有を許すルールづくりを提言。

目次

はしがき

I お笑いジェンダー論

 1 ジェンダーとは――「男はこうだ、女はこうだ」
 2 主婦はいつ生まれたのか
 3 家事の男女比較と日本の地域差
 4 ひどい「男性差別」――男女共同参画社会は男にとっても楽な社会だ
 5 主婦という制度は曲がり角――配偶者控除は必要か

II ジェンダー随笑録

 1 メッセージ 男から
 2 世間のからくり
 3 子育ては愉快だ
 4 男女共同参画社会時代のフェミニズム

III セックスワーク論――売春は禁止できない

 1 何を何のために論じるのか
 2 非公然性の原則
 3 性=人格
 4 性差別批判
 5 資本主義批判
 6 近代社会の構造として
 7 現場の問題・性犯罪
 8 道徳主義的アプローチをこえて
 9 自己決定を妨げるもの――強制と抵抗
 10 自己決定が成立する条件
 11 性の意味づけの変化
 12 性的弱者
 13 自己決定にもとづく棲み分け――性規範による規制から手続きへ
 14 われわれにできること

IV 主婦保護撤廃論

脱・専業主婦時代の家族政策――家族の戦後体制を越えて

はじめに――新しい政策のセットへ

 1 家族の戦後体制と専業主婦保護
 2 専業主婦の階層的位置
 3 保護撤廃の方向性
 4 高齢社会と新たなライフスタイル

主婦の階層的位置

 1 比較における主婦の位置
 2 日本における主婦の位置
 3 主婦の保護をはずす方向へ

あとがき
文 献
初出一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

60
税制や社会保険制度での「専業主婦優遇制度」である・国民年金3号被保険者制度・配偶者控除、配偶者特別控除などなどの二重三重の優遇制度は、 現在の社会に合わないと、主張されています。個々人が自由な意思で役割分担をして「専業主婦」をするのは、もちろん構いません。しかし政府がわざわざ制度支援するのは、以下の3つの理由でもって、「いかがなものか」と喚起されています。1.制度が婚姻の継続を前提としている2.相対的に所得の高い専業主婦層を優遇している3.高齢社会に適合しない2013/09/23

renren

5
うーん…。20年前の本ゆえの古さなのか、著者が男性だからなのか。エッセイ以外に紙幅を占めるのは「セックスワーカー論(合法化論)」と「主婦優遇廃止論」で、正直いずれも「男性のためのフェミニズム」だと思った。「フェミニズムは時代遅れだ、フェミニストが攻撃的と忌避されているしうちの学生も男女格差はないと言ってる」みたいなとこもあるけど、そりゃ「東大に入れた女子学生」(進学を積極的に勧められ、上京を支援され、社会に出ず今までは成績という平等な場でのみ勝負できた)ならそういうだろう(かつての自分がそうだったから)。2021/06/05

にこにこ

2
家事は日々の労働力の再生産、育児は次世代の労働力の再生産、介護は一線を引いた労働力のケア、というわけで、専業主婦は社会に必要な労働力の再生産に従事しているわけですが、専業でない主婦もでてきた昨今、専業主婦へのインセンティブへの疑問を呈しています。同時にこれは「女性だけの問題じゃないんだぞ」とも言ってます。大学の講義にありそうな本です。2013/10/29

ミニジロー

1
東大駒場の人気教授というので、やや古い本だが手にとってみた。 ジェンダー論は女性差別問題とどうしても結びついてしまい、自分としては女性の視点にいかに合わせるかというイメージを持ってしまっていたが、男性によるジェンダー論を読み違った視点を獲得できた。 専業主婦やセックスワーカーなど大きな社会問題から、婚姻届や離婚届といった身近なことまで、「性」という課題を意識するきっかけとなる。2017/07/05

もちねこLv.4

1
・第3章より。性を結婚や愛と結びつける、いわば「性=人格」という結びつきの感覚をもとに、人格をモノ化することの否定として、性産業を否定する論があるが、「性=人格」という考えは強制はされるべきではない。また単なる道徳的否定でブラックマーケット化してしまうより、労働として認めたうえで規制を考える方がセックスワーカーの保護につながる。・第4章より。企業戦士+専業主婦は高度成長期に登場した構図であったが現状にはもはやそぐわず、配偶者控除などは低所得者層に不利益である上に財政破綻を招き高齢化社会に耐えられない。2016/08/31

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