内容説明
対話が継続される社会的地位としての市民権こそ人権だという「幻」を前作では見た。その幻はイメージとなって人々の心に刻まれ、行動へと向かわせていく。幻の原風景から出立し、本作では「個人的記憶のなかに想起しつづける集合的記憶」を鍵に、幻の実現に焦点をあわせて新たな光を紡ぎ出す。互いに保障しあう場に存在する権利とは?
目次
序 やや個人的な前書き
第1講 国家とは何かを問う
閑話休題1 抵抗権論の悩み─ヘルマン・ヘラーと宮澤俊義
第2講 平和とは何かを問う
閑話休題2 立憲主義と平和主義の相克─丸山眞男と清宮四郎
第3講 国民とは何かを問う
閑話休題3 実定法の不法と裁判官─ラートブルフと韓国大法院
第4講 象徴とは何かを問う
閑話休題4 象徴論としての政教分離─靖国懇と芦部信喜
第5講 人間とは何かを問う
閑話休題5 所有権に基づく妨害排除請求─現代における憲法訴訟
第6講 差別とは何かを問う
第7講 釜ヶ崎の貧窮問答歌
結 あまり普遍的ではない後書き
参考文献
付録 あいりん総合センター土地明渡断行仮処分命令申立却下決定文