「家庭教育」の隘路

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「家庭教育」の隘路

  • 著者名:本田由紀
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  • 勁草書房(2021/10発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784326653331

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内容説明

家庭が子供をしっかり教育しろという圧力が現代日本では著しく高まっている。しかし家庭での教育には、逃れがたい家庭間の差異や、その責任を担う母親にとっての多くの悩みが観察される。「家庭教育」を背負う母親たちの実態と、それが子供に及ぼす影響を、インタビュー調査と大量アンケート調査の結果を駆使して明らかにする。

目次

はじめに

第I部

第一章 「家庭教育」をめぐる日本社会の現状
 1 「家庭教育」の重要性に関する政策的・社会的関心の高まり
 2 政策動向とその背景
 3 社会的関心とその背景
 4 関心の高まりがはらむ危険性

第二章 「家庭教育」に関する研究動向
 1 研究動向の分類
 2 世代間階層再生産研究
 3 階層と子育て(parenting)に関する質的研究
 4 親子関係研究
 5 育児不安研究
 6 女性のライフコース研究
 7 明らかにされてきたこと、明らかにすべきこと

第三章 本研究の問題関心と調査データの概要
 1 問題関心――「家庭教育」の重視がもたらす二つの弊害
 2 具体的な分析課題
 3 本研究が使用するデータ
 4 第II部・第III部の章構成

第II部

第四章 「家庭教育」における格差
 1 格差の諸側面
 2 学校外の教育や活動
 3 家庭内での母親の子供への対し方
 4 子育てやしつけの方針
 5 学校との関係
 6 子供の性格・状態
 7 グラデーションとしての格差

第五章 「家庭教育」における葛藤
 1 葛藤の諸側面
 2 母親の自己実現や就労と「家庭教育」との葛藤
 3 子育てのあり方をめぐる葛藤
 4 充満する葛藤

第III部

第六章 母親の子育てのあり方とその規定要因
 1 母親・若者ペアデータの利点
 2 子供が小学生の頃の育て方――七項目の検討
 3 子育てのあり方をめぐる三つの変数の作成
 4 子育てのあり方を規定する要因
 5 グラデーションの再確認

第七章 子育てのあり方と若者の地位達成
 1 子育ては子供の客観的地位を左右するか
 2 中三時成績に対する子育ての影響
 3 最終学歴に対する子育ての影響
 4 就業状態に対する子育ての影響
 5 収入に対する子育ての影響
 6 「きっちり」した子育ての影響力

第八章 子育てのあり方と若者の意識・能力
 1 子育ては子供の主観的状態を左右するか
 2 母子関係――子供側から見た母親像
 3 スキルと志向性
 4 生活満足度
 5 「のびのび」した子育ての影響力

終 章 調査結果から得られた知見とインプリケーション
 1 調査結果から見出された格差と葛藤
 2 知見から得られる政策的インプリケーション
 3 本研究の限界と課題

おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

RISK

3
多分、母親になる前の人は読まない方がいい。母親になるのが怖くなるから。今、義務教育中の子供がいる母も読まない方がいい。葛藤が深くなるから。もう子供が成人した母も読まない方がいい。過去の子育てが問題だったのではと不安になるから。 将来、孫が育つ頃、母たち(今の子供たち)が押しつぶされるような思いで子育てをしなくて済みますように。子育てがもっとシェアされる世の中にできますように。2013/01/08

hisakodosu

2
仕事をやめて母になるのはバクチよりひどい。普通に育って何がフツーかわからんけど当たり前で失敗作でも返品がきかない。世の中の母は悩みながらがんばっている。2014/01/13

AI

1
研究的な小難しい文章なので読みづらい。また、集計のサンプル数が少なくて当てにならないこと、個人の意見に寄り過ぎてること、高学歴母と高卒以下母との間にある『経済的格差』を全く考慮していないこと、また『遺伝子』の影響も考慮していないこと(例:本が好きな両親の子は遺伝的に本が好きな確率が高いのに、両親の働きかけによってあたかも子が本好きになったかのようにミスリードされる)、などが疑問で真面目に読む気にならずパラパラと読み流した2019/06/21

レモン

1
半分読みました。途中諦めました。2019/01/06

あんこう

1
正解のない「家庭教育」に追いつめられる母親達を理論的に丁寧に浮かび上がらせている。インタビュー分析の際に、母親達の語りをバラバラにして分析しなくてはならないことが本当につらかった、と綴ったあとがきが印象に残った。2015/10/01

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