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内容説明
死をむやみに恐れる必要はない。
新型コロナウイルスの猛威で、それまで元気だった人が突然亡くなるといったケースも増えている。コロナに限らず、脳疾患や心疾患、事故などによってなんの心の準備もできていないままに命を落とすことも珍しくない。またがんなどの重篤な病で余命宣告を受けた人も多いだろう。そして、自分の命が限りあるものであることをあらためて認めることによって動揺するケースも多い。
死は誰にでも平等に訪れるものである。しかし、その本質を知らないから異常なくらい死を恐れる。意外に、私たちは死というものについて知らない。
多くの人がどのように死んでいくのか。そして、自分が将来においてどういう形で死ぬのかが分かっていないのだ。
それを知ることは、無知から解き放たれる第一歩である。死にまつわる問題を抱えていく上で、その一歩を踏み出すことの意味は限りなく大きい。
「善き死」とは何か。超長寿社会となった現代は、それをじっくりと考える時間的な余裕を与えてくれるはずなのである。そして、死の本質を知ることで「善き死」というものに辿り着けるのである。
(底本 2021年10月発行作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめぴょん
8
「人がどうやって死ぬのかを知らないで、死について考えるのは無理なことではないだろうか。」と、どんな風に人が死ぬのかについても詳細に記載されています。ただ、それを知ったところで死についての考え方が変わるかといえば疑問が持たれましたが、知らないよりは知っている方がいいのかという程度には感じます。病院死、施設死が増えたのでそういう場で働く人はいろいろな死を見ていますが、だからといって死について死を見知っていない人と比べて特別な考えを持っているかどうかは疑問です。以下は文中引用とミニ感想です。死は誰にでも訪れる出2022/05/08
ぬらりひょん
7
この方、宗教学者だったのね。ついついこの手の本に手が伸びる。もはや死ぬことが怖いのか(長く)生きることが怖いのか、この不安がどこからくるのかわからなくなってきた。この本には「死の経緯」「死生観」「安楽死」など気になっていたことが書いてある。オランダで安楽死の法律ができた経緯も興味深かった。スイスの「自殺ツーリズム」とかね。日本では子どもを介護要員としてみている現実を、何とかならないかと思う。そんなことをしていたらこの国は介護者と被介護者だけになってしまう。他人を頼ろうよ!2022/04/24
とく たま
6
宗教から見た死生観は冒頭だけで、死に方(死に際)安楽死、孤独死に話は至る。また生きているだけで社会貢献はなしているようだ✨たとえ年金暮らし生活保護であろうともね。「善き死」なるほど!2025/01/13
kaz
2
安楽死や孤独死等をめぐる著者の見解を示したエッセイ的なものと言えば、そう言えなくもないが、死生観を深く考えさせられる。終活の参考にするには難しいが、自分の生き方を考える際の大きなヒントになる。図書館の内容紹介は『誰にでも平等に訪れる“死”。それを知ることは無知から解き放たれる第一歩である。超長寿社会となった現代の「善き死」とは何か。多くの人が知らない「死の本質」に迫る』。 2022/04/05
Go Extreme
1
人はどうやって死んでいくのか:死の瞬間はさほど恐ろしいものではない 死は別れのとき:打ち込むこと→人生に意味 死生観の根本的な転換:死生観の4類型 現生に重きをおく創価学会 超長寿前提の社会 安楽死をめぐって:自然な死 積極的・消極的安楽死 安楽死が許容される4要件 なぜ日本で安楽死は認められないのか:嘱託殺人 利己的動機 家族の在り方が違う 在宅ひとり死は可能なのか:死に場所の理想と現実 突然死11% 孤独死は避けられるのか:死後を思い煩う必要はいっさいない 改めて死を見つめる:活きていること=仕事2021/11/12