デカルトはそんなこと言ってない

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デカルトはそんなこと言ってない

  • 著者名:ドュニ・カンブシュネル【著】/津崎良典【訳】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 晶文社(2021/09発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794972682

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内容説明

我思う、故に我在り〉はかくも誤解されてきた!

「〈我思う、故に我在り〉は大発見」「人間の身体は単なる機械」「動物には何をしたっていい」……ぜんぶ誤解だった! 世界的権威が21の「誤解」を提示、デカルトにかけられた嫌疑をひとつひとつ晴らしていく。

「近代哲学の父」「合理主義哲学の祖」などと持ち上げられながら、その実デカルトほど誤解されている哲学者はいない。それでよいのか? 見かねて立ち上がったデカルト研究の世界的権威が、私たちの誤解に逐一反駁を加えながら、デカルト本来の鋭く豊かな思考を再構成する。デカルトが言ってたのはこういうことだったのか! 硬直したデカルト像を一変させるスリリングな哲学入門。

目次

凡例
日本語版への序文
はじめに
1.学校で教わることはどれも役に立たない
2.感覚は私たちを欺く
3.明晰判明でなければ決して真ではない
4.方法の規則は少ししかない
5.神はやろうとすれば3+2=4にできる
6.「私は考える、だから私は在る」というのは大発見である
7.人間の魂は、自分に対して透き通るように立ち現れてくる純粋な思考のことだ
8.人間の精神は、思考するのに身体を必要としない
9.人間の精神は、独り観念を介さなければ何も認識しない
10.人間の意志は無限である
11.人間は、自然の主人にして所有者になるべきだ
12.物質は延長に他ならない、すなわち空間である
13.自然学に経験や実験は不要である
14.人体は、純然たる機械である
15.私たちの魂は、身体を動かすための力を持っている
16.私たちは動物に何をしたって構わない
17.理性は、情動なしで済ませられる
18.私たちの実践上の判断はどれも不確実だ
19.完璧な道徳は手に入らない
20.高邁とは、自由の情念のことだ
21.政治は君主に任せておくべきだ
弁明――簡潔に、対話篇のスタイルで
デカルト主要年譜
訳者後書き
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

119
「精神は思考するのに身体を必要としない」「人間は純然たる機械である」「人間の意志は無限である」など21の論点について、デカルト研究の世界的権威である著者が「そんなこと言ってない」と論証する。何故こんな本が書かれるか、私には納得できる節がある。第一は、デカルトの論考が時に循環論法に見えること(神の存在証明など)。第二は、デカルトから乖離したデカルト主義が跋扈していること。誤解を解きながら、厳密なデカルト理解を広めたいという著者の思いが、重箱の隅を突くような、ちょっと議論のしつこいこの一冊になったのだろう。2023/10/20

Y2K☮

33
先にデカルト入門的なものを読むといいかも。テーマは明快。真理はシンプルでも行き着くまでの過程は至極複雑。ならば説明も当然複雑になる。読者に良かれと思ってそれを第三者が簡略化・単純化してしまうと大事な要素が知らぬ間に抜け落ちたりニュアンスが真逆になったりする(翻訳も同じ。ゆえに私は亀山訳のドストエフスキーに抵抗がある)。「我思う、故に我在り」はその典型。「思う」だけでは言葉足らず。「学校で教わることはどれも役に立たない」も同じ。発言前後の文脈に触れないのはアンフェアで不誠実。どこかの国のマスコミを連想した。2021/10/17

どら猫さとっち

6
以前「方法序説」を読んだが、ちょっと難解で、理解に苦しんだ。本書はデカルトにまつわるさまざまな事柄に、疑問を投げかけ解明していく哲学入門書。あまり知られていないことだが、デカルトはかなり誤解されまくっているのだ。あらゆる通説を払拭したデカルトの思考が、ここにある。でも本書を読んで、デカルトをどれぐらい正しく認識する人がいるだろう。2021/12/29

しゅうこう

3
正直「そんなこと言ってない」の「そんなこと」をあまり認知しないまま本書に着手してしまった。命題自体はシンプルにしてくれていたが、それでも自分にとっては難解だった。しかしデカルトに限らず、文章のみで後世に伝えられる内容に齟齬が生じてしまうのって、結構ありうる話なのではないだろうか?ただでさえ常人には理解し難い哲学者の思考を、残された手がかりのみで完全に汲み取るのは困難を極めそうだ。2022/03/17

アヴィ

2
歴史上の偉人の名言とされるものが、実はそんなことは言っていない、は雑学としてあるあるで、本書もその手かと思って読み出すとがっつりと哲学していて驚かされる。そもそもそんなこと言ってないという論考スタイルではなく、どちらかというと方法序説から一つ一つ題材を取って解説する感じの本になっている。なので方法序説をまず読んで理解していないと本書の価値に気付くことが出来ない。ラノベっぽい装丁に騙されて手に取ると痛い目にあう典型のような書。2025/04/30

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