内容説明
その順で、本当に正しい?実は筆順に「唯一の正解」はない。だからといって、決して不要というわけではない。いつ誰がどのように決めたのか等々、謎を解き明かしながら、本書は、筆順のルール、指導法を説明。正しい知識を得たい人、美しい文字を書きたい人へ、目から鱗の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Robbie
2
中学校のときの国語の先生の書き順がものすごくへんで、板書しているのを見るのがストレスでした。なるほど、書き順って、正解はないんですね。でも小中学生にとってはある程度の「正しい」考え方を教師は教えるべきですよ。書きやすさ、整えやすさ、読みやすさ、覚えやすさから筆順は選択すべし。明治時代、印刷物が世の中にあたりまえのように流通するまでは、人は楷書ではなく草書を使用していたので、筆順の概念はなかったなど、とても興味深い内容でした。2014/11/24
kuri
2
中公新書ラクレとは思えない学術的な内容(特に第2・3章)でした。ちょっと筆順に興味を持っただけなのですが、大変勉強になりました。第4章で紹介されていた「5分間紙上討論」は生徒にとって効果的な学びになったと思います。2013/10/14
kaizen@名古屋de朝活読書会
2
「筆順のはなし」では、「上」という文字を「ー|ー」と書くか「|ーー」と書くか「どちらが正しいか?」から始めています。昭和33年(1958年)発行の筆順指導の手引きには、「(前略)もちろん、本書に示される筆順は、学習指導上に混乱を来さないようにとの配慮から定められたものであって、そのことは、ここに取り上げなかった筆順についても、これを誤りとするものでもなく、また否定しようとするものでもない」「義務教育諸学校教科書用図書検定基準」「国語科(書写)」昭和21年(1946年)には、 2013/01/27
やま
2
筆順の捉え方の変遷を丁寧に追っていて、勉強になった。筆順指導の目的や意義を指導者がよく心得るべきだという指摘は至極もっともだが、混在する筆順根拠の問題、そして「あとがき」に書かれていた左利き問題や横書きの影響など、もっと突っ込んでもらいたかった。2013/02/28
siomin
1
漢字の筆順について解説した新書。なぜ学校現場で筆順が学ぶのかを解説しています。一つひとつ漢字ごとに筆順を覚えるのはしんどいが,それによってきちんと文字を書くことができるのは有意義。しかし,ただ単にテストに出るから覚えるのではなく,生徒がその意義を見出せるようにする姿勢は,筆順だけの問題ではないと思います。2021/05/06