内容説明
磁性研究の名著「Quantum Theory of Magnetism: Magnetic Properties of Materials 3rd ed.」待望の翻訳。
本書の特長は、「磁性体が磁場によって励起されたときにどのように応答するか」という「線形応答」の観点から統一的に磁性体を説明している点にある。
最初に、磁性体の研究に必要不可欠な量子論、および基礎概念を省略することなく簡潔に解説し、次にそれらを使って、考えうるすべての磁場(時間・空間に依存する静的・動的な磁場)に対する応答を系統的に取り扱う。
さらに、磁性研究に不可欠な実験手法である中性子回折や核磁気共鳴(NMR)について、また、最近の磁性の発展としてスピントロニクスや巨大磁気抵抗効果についても簡潔に解説している。
基礎物理学を学んだ人であれば、本書を通して最先端の磁性研究まで理解することができるだろう。
これから磁性研究に取り組もうとしている学生・大学院生、研究者におすすめの一冊である。
目次
第1章 磁化率
第2章 磁気ハミルトニアン
第3章 相互作用しない系の静的磁化率
第4章 相互作用する系の静的磁化率:局在モーメント
第5章 相互作用する系の静的磁化率:金属
第6章 弱く相互作用する系の動的磁化率:局在モーメント
第7章 弱く相互作用する系の動的磁化率:金属
第8章 強く相互作用する系の動的磁化率
第9章 薄膜系
第10章 中性子回折