トーチコミックス つつがない生活

著者名：INA【著】

リイド社（2021/09発売）

• ISBN：9784845861040

内容説明

第一回トーチ漫画賞受賞『牛乳配達DIARY』のINA最新作！

買い出しメモ、ヒヤヒヤの通帳記入、義妹の宿題、妻が寝るまで待つ時間、卒業式、バンドで行ったアメリカツアー、妻からの手紙コレクション、事故、深夜徘徊、海、パリ新婚旅行、失くしたピアス、旅の出会い、旅の終わり、告白―――
優しく鮮やかな筆致が照らし出す、暮らしの中の、なんてことなくて美しい瞬間の数々。

若き著者［二十代・新婚・自営業・パンクス］が描く、現代ニッポンを他者と共に生きる暮らしの記録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[石破茂辞めるなと思う24歳レースクイーン・寺]

最近、リイド社のトーチコミックスから良い漫画が出ている。昔だったら『ガロ』で発掘されたような才能が『コミック乱』のリイド社から出ているのがなんか素敵だ。そんな事を考えていたのだが、これは絵柄もあっさりしているので、軽い気持ちで読んでみた。しかし驚いた。泣いてしまった。これはありそうで無い本である。もしも「優しさ」という学問があるのなら、この本を教科書にしたい。最初は若い夫婦を主人公にしたフィクションかと思っていたら、読むほどにリアリティが積み重なり、事実だとわかる。そしてそれぞれの抱えるちょっと…(続く)

2021/10/09

[にしざわ]

めちゃくちゃよかった。なんとかやっていく日々のすべての瞬間への賛歌。にっこり顔、がっかり顔、むかつき顔、焦り顔、とにかく表情の描き分けがかなりいい。このひとの描く漫画をずっと読んでいきたい。

2021/09/28

[し]

日常の機微の愛おしさを感じる定期的な妻の放屁や、ライブから帰宅後ナイトキャップ被って自分の布団で寝ている妻など、毎日をミクロレベルで拡大すればほぼ誰でもこんな素敵な瞬間の繰り返しで生きているんだなあという視座を改めて得られる素晴らしい作品だと思いやす。

2021/10/04

[hgstrm2]

これは、絵画によって完璧に表現された文学。そしてとてもリアル。胸にこたえる。胸が詰まる。第一回トーチ漫画賞で大賞に輝いている作家さんなので、多くのひとに読まれているのだろうと思うけど、もっと、たくさんの人に読んでほしい。素晴らしいの一言。

2022/08/14

[zoumurasan]

牛乳配達の日記漫画の自主制作本を手にする機会があり興味を持ち、調べたら新しく本が出るという事で買って読みました。絵は上手な方ではないんですが身辺の話題という本編に合っていると思います。フリーランスの生活の大変さや家族の話など生活の中で感じる、本当にちょっとした事ではあるんだけども、そういうちょっとした思いが漫画になってます。たまに泣きました。自分もそんなお金あるわけじゃないのでそういう近さもこの本を良いなと思った理由の一つかもしれん。コタツは値切らなかったけど同じコタツ布団をつかっています。

2021/09/30