中公文庫<br> 文化としての数学

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中公文庫
文化としての数学

  • 著者名:遠山啓【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2021/09発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122071131

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内容説明

数学が人間からかけ離れた絶対的な真理であるという思想、あるいは神が数学を創り人間に与えたとする神話は、古代から現代まで姿をかえてたえず登場してきた。だが、すでにできあがった数学を天下り式に子供に注入する教え方は、数学をつまらなくさせてはいないか? 人類と数学の出会いから今日の数学理論に至る発達史や、初等教育における分数の計算や数の抽象化の難しさなどを平明に語り、自然や人の営みと数学の関わりを説き明かす。
「数学には甘い菓子のようなおいしさはない。しかし、暑いときに飲む冷い真水のようなうまさはある」と語る著者の業績は、数学的側面だけでなく数学教育から障害児教育まで幅広く、かつ、学問・科学・芸術に対する深い造詣と、そこから教育や人間を捉える真摯な洞察に満ちている。本書は、50年代半ばから70年代前半に発表された、数学と文化について語った文章を集めたもので、著者の思想と、数学の面白さや奥深さを知る格好の入門書となっている。「数学勉強法」「数学と社会も変わった」の二篇を増補し、吉本隆明の追悼文を再録。

【目次より】
Ⅰ 数学はあらゆる分野に浸透する
 これからの社会と数学
 数学と現代文化
 専門の違った人たちとダベってみる その一
 専門の違った人たちとダベってみる その二
Ⅱ 数学はどんな学問か
 数学は単純で素直である
 数学は特殊な言語である
 数学は学問的に孤立する危険をもつ
 数学も時代の支配的イデオロギーに規定される
 数学は自然や社会を反映する客観的知識
 数学も人間を形成する
 数学はほんとうに論理的か
 数学と方法
 数学の発展のために
Ⅲ 数学はどう発展したか
 数学の歴史的発展
 現代数学の主役=構造とはなにか
 構想力の解放
Ⅳ 科学を学んでいくために
 科学への道――女性に与う三つの原則
 数学勉強法
 数学も社会も変わった
  あとがき
巻末エッセイ
 遠山啓――西日のあたる教場の記憶(吉本隆明)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

樋口佳之

60
数学の歴史性、社会と数学の関わりの変化など、なるほどと読みました。難点にさしかかったら基本に戻る、その戻る事のできる基本を十分鍛え蓄えておく事でしょうか。/最近の仕事であれこれやってみて、これ昔学んだドモルガンの関係では!と気がついたり、社会の数学化は広く深いもの。時代背景で難がありそうですが中学から高校生になる位の方におすすめの部分ありそうです。2023/02/27

オザマチ

14
受験勉強のために作られる問題が必要以上に複雑であること、古典的な幾何学を必要以上に時間をかけて扱っていること、それらが数学嫌いを増やしていること。以上には全く同意見。2022/12/27

オザマチ

10
再読。数学を数学の世界の中だけに留めてはならない。2024/09/13

オザマチ

9
再読。専門分野の異なる人との対話は意外と発見が多い。2023/04/14

かっさん

5
文化としての数学 #読了 数学者の遠山啓さんが、 #数学 の社会的意義や学問としての性格について書いた本。個人として数学との接し方、捉え方、勉強方法など改めて数学について見直すいいきっかけになった。数学は本来素直な学問で、受験によってかなり歪められている、というのが印象的 https://t.co/0Zqm4Hbf8R2021/10/23

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