時を漂う感染症 - 国際法とグローバル・イシューの系譜

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時を漂う感染症 - 国際法とグローバル・イシューの系譜

  • 著者名:新垣修【著】
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 慶應義塾大学出版会(2021/09発売)
  • ポイント 27pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784766427622

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内容説明

▼疫病と世界の変容をめぐる170年を描く。
▼感染症への国際的対応を読み解くキーワード、それは「国際法」の歴史にあった。
▼ペスト、コレラ、天然痘、エイズ、SARS、新型コロナウイルス…。国際社会において、感染症と国際法がどのように交わり、変化し、次の世代に継承されていったのか。「国際法」というレンズを通して描きながら、現在世界が直面する問題に切り込む意欲作。

目次

はじめに/凡例
 
 第1編 1851年 ─ 1940年代中頃

第1章 1851年 ─1890年代 ─ 国際衛生会議と国際衛生条約
 第1節 コレラとペスト/第2節 背景と経緯/第3節 国際衛生会議の始まり /第4節 国際衛
 生条約の誕生

第2章 1900年代 ─1910年代 ─ 東方の脅威からの防衛
 第1節 黄熱/第2節 背景と経緯/第3節 1903年「国際衛生条約」 /第4節 1907年「公衆
 衛生国際事務局のパリにおける設立に関する国際協定」 /第5節 1912年「国際衛生条約」

第3章 1920年代 ─ 欧州から世界へ
 第1節 チフスと天然痘 /第2節 背景と経緯 /第3節 1926年「国際衛生条約」

第4章 1930年代 ─ 海陸から空へ
 第1節 空と感染症 /第2節 背景と経緯 /第3節 1933年「航空国際衛生条約」 /
 第4節 1938年「1926年国際衛生条約を修正するための条約」 /第5節 1900年代
  1930年代までの国際衛生条約の性質

第5章 1940年代中頃 ─ 第二次世界大戦
 第1節 戦争と感染症 /第2節 背景と経緯 /第3節 1944年「1926年国際衛生条約を修正す
 るための条約」 /第4節 1944年「1933年航空国際衛生条約を修正するための条約」 /
 第5節 1944年国際衛生条約の性質 /第6節 1946年「1944年条約を延長するための議定
 書」

 第2編 1940年代後半 ─ 1970年代

第6章 1940年代後半 ─ WHOの誕生
 第1節 汎米衛生局(PASB)─世界最古の国際保健機関 /第2節 背景と経緯 /
 第3節 WHO憲章 /第4節 WHOの権限の行使

第7章 1950年代 ─ 国際衛生規則
 第1節 マラリア根絶プログラム /第2節 背景と経緯 /第3節 国際衛生規則の概要 /
 第4節 国際衛生規則の性質

第8章 1960年代 ─1970年代 ─ 国際保健規則
 第1節 冷戦と感染症 /第2節 背景と経緯 /第3節 国際衛生規則から国際保健規則へ /
 第4節 乖離と衰退


 第3編 1980年代 ─ 2020年

第9章 1980年代 ─1990年代 ─ 国際人権法との連動
 第1節 HIV/エイズ /第2節 背景と経緯 /第3節 1980年代─自由権 /第4節 1990年代
 ─社会権

第10章 2000年代 ─ 国際保健規則の再生を目指して
 第1節 重症急性呼吸器症候群(SARS: Severe Acute Respiratory Syndrome) /第2節 背
 景と経緯 /第3節 2005年「国際保健規則」の内容と性質

第11章 2010年代 ─ 安全保障との連動
 第1節 エボラ出血熱 /第2節 背景と経緯 /第3節 国連エボラ緊急対応ミッション /
 第4節 感染症の安全保障化と米国

第12章 2020年 ─ COVID-19(新型コロナウイルス感染症)と新たな課題
 第1節 COVID-19(新型コロナウイルス感染症) /第2節 背景と経緯 /第3節 中国の国家
 責任 /第4節 ダイヤモンド・プリンセス号と2005年「国際保健規則」


 第4編 グローバル・イシュー

第13章 感染症医薬品と特許権
 第1節 1980年代まで /第2節 1990年代─TRIPS協定 /第3節 2000年代─ドーハ宣言と
 国際人権法

第14章 ワクチン
 第1節 2011年─パンデミックインフルエンザ事前対策枠組み(PIP) /第2節 2020年 2021
 年─COVAX /第3節 医薬品へのアクセス─感染症治療薬とワクチン

第15章 生物兵器とバイオテロ
 第1節 第二次世界大戦以前─感染症の武力化とその制限 /第2節 1960年代以降─生物
 兵器禁止条約 /第3節 冷戦終結以降─バイオテロの脅威

第16章 時を漂う感染症 ─ レジーム論から見る国際法の軌跡
 第1節 1851年 1940年代中頃─欧州レジーム /第2節 1940年代後半 1970年代─国際レ
 ジーム /第3節 1980年代 2020年─グローバル・ガバナンスへ?

 主要文献一覧/おわりに/索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヤギ郎

11
ペストやコレラ、COVID19といった感染症の歴史を振り返りながら、感染症へ対抗していく国際社会の動きを描いた一冊。まず、国際法や国際政治の視点から感染症の流行が国際社会にもたらす影響と国際的な公衆衛生制度・枠組みをまとめる。初めて国際的な場所で感染症について議論した第1回国際衛星会議から170年が経ち、感染症に立ち向かう国際法の進化を見る。後半では、医薬品の特許権、ワクチン、バイオテロといった各イシューで国際法の枠組みを観察する。国際法の教科書と違った視点から国際法が学べる。2023/01/27

1
交流の制限は可能か。2021/11/08

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