内容説明
――毒を啖うて死なば本望と心得よ。将軍の毒味役、通称鬼役の矢背蔵人介は、毒味御用の一方で、江戸の悪を成敗してきた。そんな鬼役を支える家族がいる。養母で薙刀の達人の志乃、剣は不得手だが勉学熱心な息子の鐡太郎、成敗御用を支える用人の串部六郎太……。そんな家族たちの「もうひとつの物語」を綴った短編六編を収録。鬼役ファンならずともハマる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
111
主役矢背蔵人介を支える脇役さんを主人公にした短編、日頃の素顔が読み取れて面白かったですね、ますます本編が楽しみに。2016/06/16
KAZOO
88
この鬼役のシリーズも長く続いてくると、主人公の周りにいる常連の人々が多くなりその人々をメインにした物語です。義母、用人、義弟、公人朝夕人、隣人の放蕩息子、本当の息子などの過去のしがらみや現在などを描いてくれて楽しめました。とくに本当の息子は大坂の緒方洪庵の門下生となっているので久しぶりの登場でした。また放蕩息子も京都に行っているので久しぶりでした。2024/09/22
いつでも母さん
79
外伝。これも良い~!義母・志乃始め串部や、伝右衛門、気になっていた息子・鐡太郎の様子も知ることが出来て、坂岡作家確かにボーナス頂きました!鬼役様の「抜いたときが、おぬしの死ぬときだ」の文句しかと受けとった次第。本編が待ち遠しや。2016/03/15
はつばあば
63
これも外せない。このシリーズの脇役達のあれこれ。志乃さんはいつもシリーズ準主役級で登場しているが、ご落胤の宗次郎。京に来たのに相も変わらず置屋へ入り浸りどすかいな。と、小言を言いたくなる宗次郎に対して、なんともどかしい串部よ。大きな体をしてからに・・とこれまた小言を言ってしまう。忘れてました、鬼役の一人息子も大阪の洪庵の元で勉学に励んでおるが・・これまた恋には疎い。外伝はそれぞれの胸の内。2017/02/06
えみ
53
20巻を超えるお付き合いをしていると、登場人物ひとりひとりに愛着を持ち、慈しみ、果ては仲間よりもっと繋がり深い秘密を共有している「同志」みたいな気持ちになっている。表の顔は将軍家毒味役、裏の顔は幕臣の不正を断つ暗殺役。そんなお務めをこなす矢背蔵人介が活躍する鬼役シリーズの外伝。強く聡明な養母・志乃、忠義人である用人・串部六郎太、真っ直ぐな徒目付・義弟の綾辻市之進、密命連絡人で謎に満ちた尿筒持ち・土田伝右衛門、公方の御落胤・望月宗次郎、大阪で医術を究めている長男・鐵太郎。蔵人介飛躍に欠かせない6人の短編集。2024/06/20
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