ちくま新書<br> キリスト教とシャーマニズム ──なぜ韓国にはクリスチャンが多いのか

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ちくま新書
キリスト教とシャーマニズム ──なぜ韓国にはクリスチャンが多いのか

  • 著者名:崔吉城【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2021/09発売)
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  • ISBN:9784480074263

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内容説明

韓国はクリスチャン大国だ。韓国人の19.7%がプロテスタント、7.9%がカトリックで、キリスト教が第一宗教である。近代以降、伝統的なシャーマニズムが形を変えてキリスト教伸張につながった。また、その独特な布教でも知られている。こうしたキリスト教の実態はいかなるものなのか。韓国シャーマニズム研究の第一人者である著者が、自身のシャーマニズム研究と韓国社会調査をベースに、わかりやすく解説する。

目次

はじめに
序章 日本と韓国のキリスト教文化
教会がナイトクラブに(イギリス)
日本のクリスマス文化
韓国の赤い十字架
シャーマニズムとキリスト教
第1章 シャーマニズムの中で生まれ
私の育ちと研究
私の母とシャーマン
恩師たちのつながり
キリスト教との出会い
水の持つ宗教的な意味
シャーマンたちと我が家
伝染病神を祀る儀礼
『朝鮮巫俗の研究』
秋葉隆の朝鮮フィールドワーク
キリスト教とシャーマニズムにおける「祈り」
巫女を追って
芸能集団のような巫人たち
第2章 シャーマニズムの研究へ
世襲巫に出会う
シャーマンという職業
被差別集団から人間文化財へ
差別を生きる
村山智順と秋葉隆
人生の恨みをクッではらした女性
第3章 キリスト教との出会い
キリスト教の祈り
聖餐式の意味
人間関係の基本「信頼」
背信と復讐
信仰と経典
キリスト教の「愛」
キリスト教の「人類愛」
第4章 儒教とキリスト教の葛藤
「処女懐胎説」への疑問
婚前性交渉の是非
国による貞操観の違い
清教徒倫理
キリスト教の貞操
結婚と守節
儒教とキリスト教の「孝」
儒教の死生観
キリスト教の死生観
儒教の祖先崇拝
キリスト教思想との対立
男児選好
死後結婚の意味
第5章 シャーマニズムとキリスト教の調和
シャーマンの踊り
神託と「異い言げん」
韓国に根付くシャーマニズム
聖霊運動
シャーマニズムとキリスト教の混合
終章 シャーマニズムからキリスト教へ
シャーマニズムとキリスト教の共通点
日本と韓国の死生観
キリスト教のシャーマニズム化
韓国文化に根付くシャーマニズム
世界最大の純福音教会
死者との関係の違い
トランス現象
あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐倉

16
韓国ではキリスト教が隆盛している、というのは聞いたことがあるし、信仰は儒教とシャーマニズムが根底にある、というのも小耳に挟んだことがあるが、それらの状況について当事者的な立場にいる人物によって冷静に著述されている。哭きの文化とか恨の文化とか、日本的な感覚だとよく分からない・受け入れがたい部分もあるのだが、価値観をこちらに押し付けようとか布教しよう、という雰囲気は著者からは感じられない。あくまで、情報を伝えようとしている。噛み合わなさを受け入れるのも異文化と触れること、と考えると誠実な本だろう。2023/06/30

Francis

12
国民の三割がクリスチャンと言う私たち日本のクリスチャンからは何ともうらやましい韓国のキリスト教の状況を韓国の土俗的信仰シャーマニズムとの関連から考察。韓国ではシャーマニズムとキリスト教が結びついて土着化し、民族宗教化して教勢を伸ばしたとの事。日本でもこのような状況を批判する声がある。しかしユダヤ教でもエリヤ、イザヤ、エレミヤのようなシャーマン的な預言者が現れてユダヤ民族の復興を訴え、イエス様も癒しと言うシャーマン的行為を行っている。今の韓国のキリスト教は初期のキリスト教の状況と似ているように感じた。2022/09/03

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

11
▼著者は1940年韓国生まれの社会人類学者▼韓国のキリスト教がシャーマニズムの影響を受けているという事を述べている。生い立ちや思い出、幼少期に触れたシャーマニズムの事でかなりページ数が割かれている。▼韓国の聖霊派の教会がシャーマニズムの影響を受けているという事は何度も述べられているが、これらの教会の指導者がどのような考えで韓国文化を取り入れたのかなど、韓国の教会を直接取材するなどして、もっと掘り下げて欲しい。また牧師や信者から直に話を聞いたりもしていない印象だ▼学術的な本ではないように感じた。期待外れ。2025/05/13

イカ

4
書評を書くのが難しい本である。著者による膨大な研究の蓄積と人生そのものが、この小さな本に押し込められているからだ。ポイントになる部分に線を引くという方法では読みにくい。一見すると全体との関連が無いように見える部分も、どこかでつながっている。それを意識し始めると集中して読めなくなる。 「多くのクリスチャンはシャーマニズムを迷信と見なしており、キリスト教にシャーマニズムが潜んでいることに気づいていない」(44)。このことに気づかせるというのが本書の主題だ。2021/10/30

ちり

1
“宣教師たちは韓国のシャーマニズムについて研究し、キリスト教の宣教、土着化に努めたが、私はキリスト教が宣教によって土着化したとは思えない。そうではなくキリスト教がシャーマニズム化され、それが韓国のキリスト教を急成長させたのである” 2023/09/19

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