内容説明
三木清の存在論は、人間と世界を現実の在り方においてとらえようとする人間学的存在論である。それは、伝統的な哲学である「知識の立場」による抽象的なレアリスムではなく、「行為の立場」で現実世界が問題となるレアリスムである。
目次
序説
第一章 三木清の人間学的存在論（1）
序文
第一節 三木清の根本的態度
第二節 交渉あるいは実践と存在
一 交渉と存在
二 実践あるいは労働と存在
三 経験と存在
四 基礎経験と存在
五 存在の歴史性
第三節 三木清の存在論
第二章 三木清の人間学的存在論（2）
序文
第一節 三木清の根本的態度
一 一九二〇年以前の三木清
二 一九二〇年以後の三木清
第二節 行為の立場
第三節 行為の主体
一 主体としての人間
二 主観的＝客観的なものとしての主体
三 創造されものとしての主体
第四節 主体の行為
一 行為のアプリオリ
二 行為の存在論
第三章 三木清の人間学的存在論（3）
序文
第一節 人間学的存在論と絶対的レアリスムス
第二節 主観的＝客観的なものとしての世界
第三節 世界と弁証法
第四節 世界と歴史性
一 現実的な世界の歴史性
二 存在と事実
三 存在としての歴史と事実としての歴史
第四章 《生れる》の問題
序文
第一節 人間学は人間を《生れる》ところからとらえる
第二節 人間と世界の弁証法の問題
第三節 人間が《生れる》の問題
第四節 《発生的》の問題
第五章 存在と認識（1）
序文
第一節 認識論の問題
第二節 世界と認識
一 交渉と認識
二 認識と《顕わ》
三 構成説と模写説
四 認識の絶対性の問題
第三節 世界と言葉
第六章 存在と認識②
序文
第一節 世界と認識
一 人間と世界の《現実的》の問題
二 行為と認識
三 認識と表現的なもの
四 認識の形成説
五 真理の問題
六 認識の絶対性の問題
第二節 世界と言葉
第三節 世界と科学
一 一九二〇年以前
二 一九二〇年以後
第七章 存在と倫理
序文
第一節 世界と倫理
第二節 超越と道徳
一 超越と主体
二 《現実的》な主体の在り方
三 自由の問題
四 役割と人格
第三節 倫理の諸問題
一 心情倫理と責任倫理
二 格率的倫理と人間的倫理
三 制度とその拘束力
四 人間存在の離心性の問題
第四節 協同主義
第八章 諸思想家批判
序文
第一節 《知識の立場》と《行為の立場》
第二節 経験論の問題
第三節 カント哲学の問題
一 カントの批判哲学
二 カントの倫理学
第四節 ヘーゲル哲学の問題
第五節 マルクス主義の問題
一 マルクスとマルクス主義
二 観念論と唯物論
三 自然の弁証法
四 認識と真理
五 マルクス主義の運命
第六節 その他の問題
附論
序文
附論Ｉ 三木清の存在論
附論Ⅱ 伝統的哲学と三木清の存在論
附論Ⅲ 三木清の存在論の地平
附論Ⅳ 三木清の存在の概念
注釈・参考文献
