内容説明
イギリス独自の重層的なセーフティネットの中で,社会の「錨」のように今日まで働き続けてきたチャリティ.自由主義の時代から,帝国主義と二度の大戦をへて,現代へ.「弱者を助けることは善い」という人びとの感情の発露と,それが長い歴史のなかでイギリスにもたらした個性を,様々な実践のなかに探る.
目次
はじめに 日本から見たイギリスのチャリティ┴第一章 世界史における他者救済 イギリスの個性を問い直す┴一 文明と他者救済┴二 自己愛から貧者への愛へ┴三 キリスト教と慈善┴四 新興プロテスタント国に変容するイギリス 貧困・チャリティ・公的救貧┴第二章 近現代チャリティの構造 歴史的に考えるための見取り図┴一 イギリス近現代史のなかの変数と定数┴二 自助のイデオロギー,互助の共同体┴三 チャリティ┴四 公的な制度┴五 福祉の複合体の働き┴第三章 自由主義社会の明暗 長い一八世紀からヴィクトリア時代へ┴一 市民社会の台頭と,有用な弱者の救済┴二 無用な弱者への処遇┴三 エンターテイメントとしての救済┴第四章 慈悲深き帝国 帝国主義と国際主義┴一 海外進出の時代 「慈悲深き」強国┴二 帝国とチャリティ┴三 どういう金でチャリティをするのか┴四 国際人道支援の起源┴第五章 戦争と福祉のヤヌス 二〇世紀から現在へ┴一 戦争国家と福祉国家┴二 総力戦とチャリティ 善意の動員と動員解除┴三 福祉国家の時代のチャリティ┴四 ポスト福祉国家へ┴おわりに グローバル化のなかのチャリティ┴あとがき┴図表出典一覧┴参考文献┴キーワード
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