内容説明
暗く厭世的に思われがちな仏教.しかし,その開祖ブッダはそんなにマイナス思考の人だったのだろうか.若いころから仏典に触れ,パリで研究をする一方で,仏教国ブータンに長年生活し,チベットの人々の間に生きる仏教に親しんだ著者ならではの,ユマニスムにも通じるブッダの教えの読み解き.
目次
凡例┴はじめに┴一章 仏教徒は幸せ┴人は自分が一番愛おしく,幸せを求めている/苦しみをなくすことではなく,超越すること/子を亡くしたキサー・ゴータミーの悲しみ/「第二の矢」を受けず/シャーリプトラとマウドガリヤーヤナの死/ブッダは開祖ではなく道案内/古道の発見/ブッダは人としてよりよく生きる道を教えるのみ/仏教徒は幸せ/輝く顔/強制ではなく,魅きよせる 仏教の伝播┴二章 ブッダの生涯┴誕生/青春期/結婚/出家/マガダ国王ビンビサーラとの出会い/瞑想と苦行/目覚め/説法の躊躇と決意/最初の説法 初転法輪/教化活動/仏教の発展/すべては燃えている(火の説法)/ビンビサーラ王の帰依と竹林精舎の寄進/二大弟子の入信 シャーリプトラとマウドガリヤーヤナ/バラモン教社会における革新的態度/晩年/最期/葬儀/タキシラ 西洋と東洋の接点┴三章 ブッダが「目覚め」たこと ものごとのありのままの姿┴ブッダの教えの編纂と伝承/ブッダのアプローチ 苦楽中道/信仰ではなく理解と実証による信頼/ブッダの教え方/疑念の払拭/如理作意と如実知見 ブッダの考察方法/抽象的論議の無益性 経験論的合理主義/苦しみの本質(苦諦)/苦しみ/縁起/無常/無我/苦しみの生起(集諦)/三毒 苦しみの根源/執着/苦しみの消滅(滅諦)/ニルヴァーナ(涅槃) ことばを超えたもの/ニルヴァーナ 今の生で体現するもの/苦しみの消滅に至る道(道諦) 八正道/三学/カルマ(業)=チェータナー(意志)/心の修養/シャマタ(止)/ヴィパッサナー(観)/四無量心/ユマニスム┴四章 仏教徒の生き方┴誰にでも実践可能な生き方/一切衆生悉有仏性/出家者集団(僧伽)/三宝帰依/五戒/生活規範/殺生/肉食/暴力/飲酒/破滅への道/賤しい人/よき友/人情/社会的,経済的側面/政治的側面 「国王の十責」/七仏通戒偈/まとめ┴終章 現代と仏教┴仏教の変遷と多様化/ダライ・ラマ十四世/怨みは怨みによって消えることはない/仏教国ブータン 理想的為政者/現在の日本と仏教/これからの世界と仏教┴あとがき┴主要参考文献
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