岩波ジュニア新書<br> 核兵器はなくせる

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岩波ジュニア新書
核兵器はなくせる

  • 著者名:川崎哲
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 岩波書店(2021/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784005008803

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内容説明

2017年7月,国連で核兵器の全面禁止を掲げた「核兵器禁止条約」が成立し,条約の成立に大きく貢献したNGOのICANは,同年10月にノーベル平和賞を受賞します.その中心で,今も核兵器廃絶のために奔走する著者が,条約ができていく様子や日々の活動,そして世界のこれからについて,核の現状をふまえながら熱く語ります.

目次

プロローグ 世界を動かしたのは普通の人たち┴人は自由に空を飛べる/核兵器はなくせる/I can┴第1章 被爆者との旅から始まった┴核の恐怖のとなりで/初めての海外への旅/戦争直後のイランへ/何のために勉強するのか?/生々しい現実社会/身も心もすり減らして/平和のプロになる/影響を与えてくれた人/被爆者とともに世界を回る船旅へ/本当の核被害を知らなかった僕/被爆者一七〇人の証言を聞いて/被爆者の声を聞ける最後の世代┴第2章 「核兵器」問題って何だ?┴核兵器とは何か?/爆風,熱線,放射線/世界は核戦争の危機に/冷戦が終わり脅威は去ったか?/新たに核兵器をもつ国が増えた理由/核実験が新たな被爆者をつくる/世界が終わる二分前/「核不拡散」と「核軍縮」/「核の傘」に入る共犯者/不可解な日本の態度/アメリカは日本をどう見ている?/手段が目的化する/核兵器と原子力発電所のつながり/核兵器のない地域をつくる条約/核廃絶を実現した国/核兵器が裁かれた/市民たちが動き始めた┴〔コラム〕① 「被爆」と「被ばく」┴第3章 そして世界が動いた ICANが起こした風┴ICANが誕生した/斬新な発想で広げる/ベアトリス・フィンさん/なぜ若者が集まったのか?/赤十字の「革命的」な声明/オバマ大統領が果たした役割/核戦争が起きたらどうなる?/「核戦争でも前向きに」/禁止条約の立役者/ICANがしたこと/被爆者は専門家/空気を変えたメキシコ会議/核兵器禁止条約は,こうしてつくられた/ついに国連で採択された/ポジティブに社会を変える┴〔コラム〕② 地雷,クラスター爆弾,武器貿易に関する条約┴第4章 いま日本が立っている場所┴「核兵器禁止条約は意味がない」/お金の流れが変わる/核兵器の問題Q&A┴第5章 一人ひとりが声を上げる意味┴ノーベル委員会からの宿題/すべての被爆者の思いを背負い/異常な世界/「必要悪ではなく絶対悪」/意思表明が社会を変える/NGOで仕事をする/なぜ外交官でなくNGOだったのか?/NGOの声に耳を傾ける外交官/あなたにできる六つのこと/核兵器がなくなれば平和になる?/受験勉強で見えなくなること/本当の問題はその先にある┴〔コラム〕③ イラン核合意┴エピローグ 小さな前進と,小さな危険信号┴ノルウェーでの朝食会/小さな一歩の積み重ね┴おわりに┴核問題年表┴おすすめの本・映画など┴章扉イラスト=ねもときょうこ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

吟遊

13
被爆者の声を聞いてきた著者が、NGOピースボートで活躍し、ピースボートがICANに加盟して、ノーベル平和賞をとる。。。核兵器禁止条約の誕生である(2017)。その過程を見守ってきた著者が、核兵器について語るわけだが、本としてのレベルは低いと感じた。いくらジュニア向けとは言え。核兵器禁止条約の限界や、成立プロセスの詳細がわからない。「ヒバクシャ(英語にもなっている)は大変悲惨で声をあげてくれているのだから、核兵器をなくそう」と言う。それだけでは、国際的な情勢のリアルを映しているとはいえないと思った。2018/08/03

オカピー

6
核の傘に入る?核爆弾落とされた唯一の国なのに?しかも、核爆弾落としたアメリカに頼って?矛盾だらけですね。日本は、いつまでアメリカの属国のままでいるのでしょうか?日本として、もっと自己主張したらいいのではと思います。もう、武力で威圧していく時代ではないと思いますし、核弾頭を持っている国が捨てない限り、何を言っても絵空事ですね。2023/04/05

ichigomonogatari

5
原爆の悲惨さを訴えながら核兵器禁止条約には参加しない日本の態度に矛盾を感じつつも、核兵器をなくすなんて無理と諦めの境地でいた自分だが、この本を読んで、いや、核廃絶に向けてできることをしていくことこそが現実的態度だと思わされた。2021/09/10

タバサ

5
 これは、ジュニア新書ですが、大人が読んでも良い本です。核兵器廃絶のために活動してノーベル平和賞を受賞したNGO,ICANのこれまでの活動と、日本の動きが丁寧に書いてあります。核兵器廃絶に向けてどのように世界が動いているか、それに対する日本の対応の矛盾点などは、若い人たちに伝えるべき事柄でしょう。そして、NGOとして活動することの難しさや、柔軟な発想が世の中や人を動かしてきたICANの活動の方法なども、良く分かりました。自分にも何か出来るかも、と思わせる説得力がありました。2021/05/27

Yasuhisa Ogura

4
著者は、2017年にノーベル平和賞を受賞したICANのメンバー。核兵器禁止条約の作成の経緯と著者自身の核廃絶への取り組みについて語ったもの。特に後者は、核廃絶以外の社会的な問題を解決しようと取り組む人たちにも大いに参考になると思う。核廃絶については批判的な意見を持つ人もいると思うが、著者が指摘するように、まずは被爆者の話を聞くことが重要であろう。ジュニア新書ということで、中高生向けなのかもしれないが、社会人にとっても読むに値する内容だと思う。2020/04/01

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