内容説明
児童相談所における虐待相談対応件数が激増している昨今,医療や福祉をはじめとするあらゆる支援の現場には,逆境的環境で育ち,こころにケガをしている子どもがさまざまな支援ニーズを抱えて登場する。
こうした子どもたちへの治療や支援を考える際には,まず,彼らがこころにケガ(トラウマ)をしているということを念頭に置いて対応すること(トラウマインフォームドケア)が何よりも求められる。
本書は,理論の核となるトラウマインフォームドケアの他,被虐待児に起こるPTSDの諸症状やアセスメントのポイント,重要な治療プログラムとしてのTF-CBT,アタッチメントや発達障害とトラウマとの関連,児童精神科臨床の実態など,多岐にわたる臨床実践的観点から構成されている。
長年,精神科臨床に携わってきた著者によって子ども虐待とトラウマケアに必要なさまざまな視点や対処法を示す,臨床家だけでなく保健・福祉・教育・司法といったあらゆる支援の現場の方の指針となる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろか
12
亀岡先生にまとまった著書としては初でしょうか。 論文集ですが、流れよく編集されている印象。2020/06/20
たらこ
8
亀岡先生の論文集。トラウマの視点からさまざまな切り口で。先生の研修を受けたことがある人は目新しさはないが、「トラウマの三角形」や「こころのケガ」など、わかりやすく共有する方法が書かれてると思う。2020/06/26
okaching
5
トラウマの教科書のようで読むのに苦労した。保護所や児童養護施設のすべてがトラウマインフォームドケアの概念を持って接してくれればと感じる。実際に子どもの問題行動の対応になると感情的になってしまいがちだが、組織全体がこの概念を持っているとまた変わってくる気がする。2022/06/28
nobu
2
子ども虐待に長年現場で取り組んできた著者の、虐待とトラウマについてのまとまった成書である。子ども虐待は子どもの時からPTSDを起こすだけでなく、逆境的小児期体験として将来にわたって影響を及ぼす。また子ども虐待をトラウマの視点から見直すと、虐待された子供や養育者の行動が理解しやすくなり、適切なケアにつながる。これが最後の章に取り上げられているトラウマインフォームドケアというものであるが、精神科病院での拘束対応にも、この視点が取り入れられているそうだ。児童だけでなく大人の精神科でも勉強になる本だと思う。2022/05/30
言いたい放題
1
図書館にない2022/05/28
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