内容説明
「愛着障害」という言葉が,その子どもに適切な環境を与えるためにあるのではなく,その子どもにかかわることに対して防衛的に使われたり,「手がかかる」子どもというレッテルを強化するために使われるようなことがあれば,それは最も避けたいことである。
本書では,知的障害特別支援学校の現場で増えつつある愛着の問題を抱える子どもたちと,その子どもたちへの対応に苦慮する教師への介入を試みた著者が,精神分析的な理論や著者自らが作り上げた愛着障害児対応教育モデル(EMADIS)仮説を用いて当事者関係の悪循環を断ち切る方途を探る。
具体的な事例を通して描き出される子どもたちと教師たちが変化していくプロセスは,集団力動が働くあらゆる場面においても共通するものとして,臨床心理学的な介入を行う上で大いに参考になるであろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろか
12
これはなかなか難解かつ深い良書。タイトルだけ見て、学校の先生が、医学的な表現である「愛着障害」を表面的に捉えて、頑張っています的な、内容の薄さを感じ、敬遠していた。しかし内容は全く逆。ビオンやオグデンを援用しながら、困難な子への関わりについて、実践を経て試行錯誤し続けているものである。ビオンの名前くらい知らないと、理解が難しいかもしれないが(松木先生の本を一冊くらいは読んでからが良いかも)、ぜひ、学校の先生だけでなく、施設職員やもちろん心理職も十分噛みしべて読むべし。2020/02/09
むつの花
6
「投影性同一化」とは、「自己にとって脅威となる内的対象やその内的対象と関連する自己の一部を、自分自身の表象から分裂させ、無意識的に選択された外的対象に排出、投影し、その部分を対象と同一化して、それを攻撃または支配する一連の適応/防衛機制。」愛情関係を育みたい相手に対して向けられる。被投影者が解毒処理に成功すれば、投影者の心理的成長に、失敗すれば投影者は病理的な対象関係の反復に陥り、被投影者もそれに巻き込まれる。病理的対象関係の反復に陥っている教師は、自分で考えて行動することを止めてしまう。その結果子ども2024/08/22
言いたい放題
0
図書館にない2021/10/30
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