内容説明
大国・豊日国より、幼き頃に生贄として追放された女王、明緋。逃げた先の山奥で趣味の呪いや術に没頭し、気ままに暮らしていた。
ある日雪に埋まる西国の皇子・那己彦を発見、明緋が救い出してやると、突然求婚されてしまう。慌てて彼を追い出そうとしたその時、明緋の妹である豊日国の王女・紫夕の命で兵たちに囲まれ、小屋までが燃やされる。
生贄となった後もなお「我国に仇なす魔物」と忌み嫌われるのか。
絶望し妹に立ち向かおうとする明緋を待つものは、果たして「妃選び」という名の陰謀だった!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
29
豊日国で幼き頃に生贄として追放された王女・明緋。逃げた先の山奥で趣味の呪いや術に没頭し、気ままに暮らしていた彼女が、雪に埋まる西国の皇子・那己彦を発見し突然求婚されてしまうアジアンファンタジー。我国に仇なす魔物として嫌われていた過去、彼女を嫌う異母妹の王女・紫夕との因縁、絶望し妹に立ち向かおうとする明緋が知る、様々な思惑が絡み合う豊日国を巡る状況。何度も辛い現実を突きつけられ、目を背けていた彼女が那己彦とともに向き合って自らがすべきことを見出し、苦境を乗り越えてみせた結末にはぐっと来るものがありましたね。2021/09/24
ひぬ
21
生贄として豊日国から追放された王女・明緋。生き延びた山奥で彼女は趣味の呪いや術に没頭しますが、その平穏な日常は彼女が救い出した西国の皇子・那己彦からの突然な求婚により、終わりを告げます。住処まで燃やされてしまった明緋は豊日国へと戻り、次の女王選びの戦いに巻き込まれてしまいます。私自身がこのジャンルの作品をあまり読まないため理解力が足りないせいか、少し分かりにくい場面はありましたが、面白かったです。那己彦以外の主要登場人物が揃いに揃ってイカれてるので読了感は微妙でしたが、ラストの展開は意外で良かったです。2021/10/23
よっしー
20
図書館で見かけたので…手に取りました。文体が合わなかったのか、読み進めるのに苦戦した一冊です。設定としては面白いところもあったのですが、疑問が解決されずに話が進んでいく所もあったので、結果として良く分からなかったという感想です。2022/07/16
ぐっち
20
生贄にされて生き延びた一の姫・明緋に、西国の皇子が求婚しに来て、女王の座をかけた試練に参加する羽目に。こういう古代日本ものたくさん読んできましたが、大王の愛を勝ち取るとかではなく、ヒロイン本人が国の役に立つことをやり、求婚してきた男性を選ぶのが目新しく、勝ち取った結末も良いなと思いました。2021/09/25
豆乳くま
16
父王に愛されず幼い頃生贄となリ川に流された姫、明緋。助けられ何とか生き延び、森でまじない師として暮らしていたが。明緋とは対照に父王の愛を一身に受けた妹、地方の有力豪族の娘、と共に次の女王争いに巻き込まれたが。古代神話を絡められると、途端に混乱する私。少し苦痛だった。明緋の大きな心の傷である『生贄』を撤廃できてよかった。 2021/11/06