内容説明
「デフレの正体」「里山資本主義」の著者、 地域エコノミストの藻谷浩介と
島根県邑南町のスーパー公務員、 寺本英仁が語る
アフターコロナを幸福に暮らすための「場所」「仕事」「生き方」論
高い家賃、狭い家、通勤ラッシュ、南海トラフ地震、
コロナのリスク、リストラ、孤独、無駄なマウンティング
…それでも都市に住み続ける意味とは何か。
今、 田舎のほうが、暮らしに誇りが持てる世の中だ。僕は「地方の誇り=ビレッジプライド」だと考えている。これからは、消費に以前ほどの幸せは感じない時代が来るという。それよりも、働くことによって、自分の存在価値を示し、「ビレッジプライド」を自分の心の中に醸成していく時代に変化していっている。そして今こそ、人と人との交流や物流を支えるための「社会資本力」が必要な時期だと思う。地方には、都市部にはない繋がりが従来から残されている。この繋がりこそ、尊い地方の財産だ。―――寺本英仁
「コロナで日本が変わる」というが、本当だろうか。そうではないだろう。新型コロナウイルスが改めて教えてくれるのは、日本がどうにもこうにも「変わろうとしない社会」であるということだ。「日本が変わる」と他人ごとのように言っていないで、この機会に「自分を変える」というところに踏み出さないと、結局何も変わらないし、変えられない。日本が変わるのを待っているのではなく、先に「自分を変える」人が、日本人の中に1%だけでも出てくれば、その1%が、変われない日本を変えていく。―――藻谷浩介
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
28
もっと色々な観点から地方に価値を見出だす対談かと思ったが、蓋を開けてみれば「コロナの中で三密な東京は危ない!わざわざ東京にいる意味ない!」という主張が重ねられるだけ。それはそれで構わないのだが、医療の専門家でもない藻谷氏が知ったような顔でコロナについて断定的に論じているのがどうにも違和感。2022/01/28
まゆまゆ
16
島根県邑南町でA級グルメによるまちづくりをすすめるスーパー公務員と地方伝道師の藻谷氏が、コロナ禍で緊急事態宣言中だった昨年5月に行った対談をまとめた内容。都会から地方に人を呼び込む方法で活性化してきた町は、3密回避という利点を活かして再び人を都会から呼び込めるのか。何でもオンラインでできるとなれば、東京にいる理由はただの自己満足?世界が変わろうとしても自分が行動しなければ何も変わらない。2021/01/25
onasu
14
「里山資本主義」の藻谷さんと、島根県中南部の中山間地、邑南(オオナン)町の食材をA級グルメと銘打って活性化に努めてこられた町役場の寺本さんとの(リモート)対談。 コロナ禍で東京(都会)への集中も細ってはいるが、それでも何かが変わったとは言い難い中、次々と地方のよさを挙げられていくのには、リモートワークにしてもそうだが、皆に当てはまる訳ではあるまい。(他の項では、その種のことを言っているし) 幾分あおっている向きもあるのだろうが、偏っている印象は拭えない。でも、懸案の山陰巡りには、訪問先が増えたな。2021/04/30
モーモー
6
東京と地方を比べ、コロナ化でテレワーク勤務が可能になった今、東京に住むメリットはなく、地方で住んだほうがいいのではという提案本。 一つのやり方としては有りかもしれないが、医療、買い物等東京のほうが何でも揃っており、地方は車を運転出来ないと生活出来ない。 どちらも一長一短ありますね2021/01/20
くらーく
5
帰省して田舎で読んだ。確かに地方だと50代は十分若いし、地域の主役。雪かきに50代以下の人がいると本当に助かりますな。ご近所の若い方は、本当に頼りになります。 就職で状況してもうすぐ還暦。もう、今から脱出したいとは思えないのよ。東京と言うか関東の気候の良さ、移動のしやすさ、自然災害の回復力等、田舎より優れていると思うのだなあ。冬の天候だけでも、脱出したいと思えないのだな。2022/01/05