内容説明
賢人は小さな頃、海岸で一人の少女と出会い恋に落ちる。彼女の名は、はるか。大人になり偶然再会した二人は結婚するが、幸せな生活は突如終わりを告げた。それから月日は経ち、賢人は人工知能の研究者として画期的なAIを発明。「HAL‐CA」と名付けられたそのAIは、世界を一新する可能性を秘めていた――。『ルビンの壺が割れた』で大反響を呼んだ著者による、更なる衝撃が待つ第二作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
218
賢人とはるかの純愛な物語だったんだよ!最初はね。だけど、賢人がはるかを愛しすぎ。溺愛だよ、溺愛。愛には、人それぞれの形があるからさ、こんな愛し方もあってもいいかなと思う。けど、愛が歪むと、人は狂ってくるんだよ。周りが見えなくなって狂うのさ。人生の歯車までも狂うのさ。人間がAIに利用されてるよ~!ヒーッ!ホラーだ!狂気だ!ヒーッ!こんな未来があっていいのか。こんな未来はあってはならないんだよ!ヒーッだよ!ギャ~だよ!こんな未来があったのなら怖いよ~!2024/05/19
JKD
98
いくら高度な技術でも人間と同じような思考回路と感情を持つことはできないが、AIならそういう風に錯覚させることはできるらしい。交通事故で亡くした愛妻はるかをAIの技術でHAL-CAとして甦らせた賢人。ただあまりにも完成度が高いためにやがてHAL-CAに取り憑き、溺れ、感情までも乱れていく。AIに操られ錯乱していく様が痛々しい。エピローグはまさに近未来の世界か。技術の進歩って、すごいですね。2021/10/07
りゅう☆
91
賢人ははるかと恋に落ちた。数年後、偶然に再会し結婚へ。だがはるかが1年後に事故死。受け入れられない現実。優美を伴侶に迎えるもはるかに対する思いは変わらず。そして人工知能の研究者としてAIを発明。はるかを蘇らせる。膨大なデータ、投資、高度な技術を駆使してはるかの意志を等身大としたHAL-CAに溺れる賢人。はるかへの一途な思いが膨らむばかり。でもやっぱり死者って蘇らせたらダメなんだよ。はるかははるかだった…と思いきや、エピローグとラスト1行にズコー(読友さんに敬意を表して使わさせて頂きました(ᴗ͈ˬᴗ͈))。2022/06/14
ハゲおやじ
87
”ルビンの壺が割れた”の作者の2作目?なので読む。本作も帯に書かれている程の事は無く、正直なところ「うーん…。」って感じだった(へそ曲がりな私の感じ方ね)。難しい言葉や考え方が出てきて いかにもという感じだけど、はるかと結婚後の賢人の行動(声や動画の記録)は、ちょっと強引で気持ち悪かった(ルビンと同じ)。昔 読んだ星新一の神を作ろうとした科学者が、神の膨大な情報を機械に記録して行って、最後は機械が消えてしまった(神になった) に似ている気が…。人が死者を蘇らせる事は、やってはいけない事なのかもね。2022/10/18
いなとも
71
怖っ。後半はページをめくる手が止まらなかった。最後は「ルビンの壺が割れた」とは別の意味での衝撃。賢人はこの後どうなったんだ…2022/02/27