新潮クレスト・ブックス<br> ウォーターダンサー

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紙書籍版価格 ¥3,080
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新潮クレスト・ブックス
ウォーターダンサー

  • ISBN:9784105901745

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内容説明

19世紀中盤、アメリカ・ヴァージニア州。神秘的な力を持つ黒人奴隷のハイラムは、奴隷逃亡のネットワーク「地下鉄道」の活動に加わることで、自らが持つ力の意味とその秘密を知っていく。秘密を解く鍵は失われた母の記憶――。トニ・モリスンが「ボールドウィンの再来」と絶賛した、いま最も注目される作家による初長篇小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

53
悲痛で力強い叫び声によって、打ちのめされるような感覚すら味わった『世界と僕のあいだに』の著者による大作長編小説。驚くべき密度、洗練された筆運び、時折挟まれる美しい暗喩の数々、そしてもちろん読者を引き込む魅惑的で壮大な物語。なんとタナハシ・コーツは、初の創作によって小説家としても第一級の作家であることを証明してしまった。同じテーマを扱った現代の作家、ホワイトヘッドやエデュジアン等と比べると完全に独創的とまでは言えないが、水のように流れる冷然とした語りは長く心に残り続けるだろう。マジック・リアリズムの秀作。2021/10/01

なっく

29
この本の素晴らしさの10分の1も理解できなかった自分の知識の無さを嘆くばかり。アメリカの黒人奴隷制やその頃の歴史的背景についてほとんど知識無く読み始めたので、筋を追うのが精一杯だった。主人公の無念さ、諦め、抵抗、憎しみ、結束、そして何よりも力強さが見事に描き出されている。そしてこの問題は、まだ過去の出来事にはなっていない。2022/03/15

Odd-i

27
2018年度マイベストの一冊 N・ホワイトヘッドの『地下鉄道』は、奴隷州から自由州へと脱出する人々の手助けをする組織や経路をSF 的手法で表現した非常に印象的な作品でした。本作も「地下鉄道」という史実を元にした力作ですが、こちらでは魔術的リアリズムが上手く用いられています。驚くべき著者初の小説とのことですが、父親はブラックパンサーで活動し、後に出版社を起こしたという人物だそうで、その血をタナハシ氏は確かに受け継いだようです。過酷で重い歴史的事実を見事に再構成した、まさに魂のコール&レスポンスの物語でした。2021/12/10

さく

22
読メ登録1900冊目。陣痛がきた時に産院に持って行った本。南部の奴隷を北部へ逃す「地下鉄道」で働く人たちのフィクション。主人公のハイラムには、特殊な力があった。何人もの奴隷を北部へ解放した伝説の女性と同じ、水と記憶を介して空間を移動できる力である。所有者が変わるだけでは自由になったことにはならない。本当の自由を得ようとするソフィアに、女性が自由を得ることの難しさを感じた。2022/04/16

かもめ通信

21
タナハシ・コーツ初の長編小説。舞台は19世紀半ばのアメリカ・ヴァージニア州で幕を開ける。黒人奴隷たちが置かれた悲惨な状況、逃亡に失敗した奴隷たちのその後や、白人たちの報復行動、黒人奴隷を密かに領外に逃がすための様々な活動など、様々な資料を基に史実を盛り込んだ物語で、「地下鉄道」の活動家として有名なあのハリエット・タブマン等、実在の人物をモデルにした人たちの活躍もある。女性解放問題にも触れている点も好感が持てる、読み応えたっぷりの小説。それだけにマジックリアリズム的要素が必要だったのかどうかは微妙な気も。 2021/11/25

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