内容説明
オールナイトニッポン元チーフディレクター・石井玄(ひかる)の10年間を綴った初エッセイ!
(本文より)
――深夜ラジオのパーソナリティ達は、毎週本当にくだらない話をしていた。リスナーからもくだらないメールが届く。そのどれもが面白くて笑えて、劣等感まみれの自分の悩みなどどうでもいいと、生きていてもいいと、思わせてくれたのがラジオだった。――
――突出した能力も、才能もないぼくが、やるべきことは「全部やる」だ。すると、どの能力も平均的に伸びていく。同時に得意なものもなく、いいのか悪いのかわからない能力値。あえてタイプに当てはめるならば、「無色透明型」である。担当していたラジオ番組に、ぼくの色の番組は一つもない。だが、ぼくが誰かの色に染まることで、パーソナリティやスタッフの能力を生かすことが出来る。「じゃあ、才能がない方が良かったか?」と聞かれたら、そんなことは全くもってない。いつだってずっと、天才に憧れている。――
ラジオへの情熱と志を綴った、10年間の集大成=アフタートーク。仕事や人生への示唆に富む一冊。
「ラジオにまつわる仕事論」「ラジオに救われて業界を目指すまで」「ラジオを共に作ってきたパーソナリティ・放送作家・リスナーとのエピソード」の3パートで構成。番組を語るコラム、放送作家の福田卓也、寺坂直毅、ラジオディレクター宗岡芳樹らとの対談、TVプロデューサー・佐久間宣行の解説「元会社員パーソナリティが語るラジオマン石井玄」などを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
84
Kindle。ANNでお馴染みの「石井ちゃん」「玄ちゃん」ことディレクター石井玄のエッセイ。自身の生い立ちから始まり、ラジオディレクターという職業の事や担当した番組の思い出などが中心。石井ちゃんの関わったラジオのリスナーは必読の一冊。2022/12/08
akihiko810/アカウント移行中
27
ニッポン放送のANNの元ラジオディレクター(現P)のお仕事エッセイ。印象度A 著者は春日部出身、遠くの東京の大学に行くも大学になじめず、深夜ラジオだけが心の支えだったそう。ここらへんは私の「暗い思春期」と被っていて、とても親近感を覚えた。「伊集院深夜の馬鹿力」の「リストカッターケンイチ」のコーナーに救われていた人がいるとは。私は「いつまでも友達でいようのコーナー」だったけど。 ラジオ仕事に対する思いと姿勢が熱い。オードリーANNの武道館ライブは本当に大変だったらしい2023/10/27
もえたく
19
オードリーや星野源のオールナイトニッポンに携わったディレクターが溢れ出すラジオ愛を語ったエッセイ。学校に通えなくなった時に聞いた深夜ラジオに救われたエピソードからANNの武道館ライブの話まで全てが熱い。ハガキ職人らの青春を描いた佐藤多佳子氏の小説『明るい夜に出かけて』の裏話もあって楽しませてもらいました。2022/05/15
緋莢
16
図書館本。オールナイトニッポンのチーフディレクターをつとめていた著者が、自身の経歴から、関わってきた番組や パーソナリティについて書いた本。ラジオのディレクターについて、クリエイター型、人たらし型、センス型、計算型、請け負い型があると書く著者ですが、自分はそのいずれにもあてはまらず、それ故に「全部やる」、そして、「無色透明型」になったと書いています(ただ、解説で佐久間宣行は、著者について「相手の懐に入れるタイプのディレクターなんだな」と思っていたと書いているので「人たらし型」なんじゃないでしょうか)(続く2024/05/04
山のトンネル
8
オールナイトニッポンのディレクターである石井玄さんの本。ラジオ配信をやるなら気づきがあるかと。2023/05/05