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内容説明
「万世一系」の天皇を頂くとされる「日本」の起源はどこに求めるべきなのか。複数の王統が大王位を目指し競合していた時代が終わり、唯一の系統が大王の地位を独占するに至るプロセスを、これまであまり注目されていなかった史料から読み解く、スリリングな「倭国形成史」。
目次
序章
第1章 5・6世紀の王宮を探る
第2章 王とはどのような存在か
第3章 5世紀の中央支配勢力 ゆるやかな連合関係
第4章 中央支配権力と地域社会 瀬戸内沿岸を中心に
第5章 播磨国風土記の歴史世界
終章 新王統の成立と支配制度の誕生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
64
文献中心の本なので、前に読んだ本との色合いの差にとまどった。タイトルの通り、卑弥呼の時代は序章でふれるだけで、古墳時代の国家の成立過程を探っていく。いわゆる記紀の、本当の歴史とは認められない部分の多さの取り扱いがポイント。著者は、王名から得られる王宮の所在地とその分布から、地理的な勢力範囲を推定していく。古代国家の定義にあてはまる事例を見い出すのではなく、まずその過程を明らかにすることそのものが大切である、というのが著者の姿勢のようである。人名などの分析は複雑だが、地道な積み重ねこそ信頼できるはずだ。2022/01/23
月をみるもの
25
継体より前の天皇は複数の家から出てたんだろうという主張はごもっともと思うんだけど、一方で「これこれこの文献のこの記述は信頼できる」「こっちの文献は信頼できない」みたいな区別が主観的/恣意的なものでしかないのではないか、という不満をいつも感じる(この本に限らず文献史学全般に対して)。もちろん考古学だって、出てきたもの自体はともかく、その解釈は恣意的である。「この証拠から、こうだと考えられる」という論理と、「こういうストーリーで考えたいから、この証拠を採用する」というバイアスを区別することは本当に難しい。2021/10/02
さとうしん
18
記紀に見える宮名、あるいは王名に現れる宮名を取っかかりに探る倭国王権論。「周縁王族」とは具体的にどのような存在かがもうひとつはっきりしないところがあるが(葛城氏のような有力豪族とは一応区別される存在のようである)、「中枢王族」の傍系あるいは「中枢王族」とは無関係の地方の王ということだろうか。逆にこの概念により継体天皇がどういう存在かイメージしやすくなったようにも感じる。 2021/09/18
サケ太
17
非常に興味深い。古代倭国の姿が、古代の天皇というものが少し見えてきた。気がする。二つの天皇の系統が古代から存在していた。周縁王族の存在。古墳時代における倭国の支配について。古代の見方が変わる一冊。2021/10/31
崩紫サロメ
15
5世紀には倭王を出す王族とは拠点を異にする王族(周縁王族)がおり、彼らは朝鮮半島まで往来できる技術とネットワークを持つ海人集団に支援され、朝鮮半島南部から先進の産物や技術を獲得し、倭王と並存し、時に苛烈な弾圧を受けた。5世紀は王族と豪族の境界が曖昧であったが、6世紀には継体による新王統の樹立、朝鮮半島の流動化により、周縁王族を指された葛城・吉備・紀伊の連合体が弾圧され、周縁王族は姿を消す。7世紀には仏教を取り入れ、倭王のもとに一元的に結集した「王民」を創出する。2026/04/04
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