内容説明
「入村者はみな必ず幸福になる。来たれ、多幸村へ」
栃木県北部の芳賀野村の移住推進課に勤務する雨貝愛子は、そんな惹句の新聞のPR記事を目にし、疑念と職務上の憤り、そしてわずかな期待をもって長野県にある多幸村を訪れた。
愛子が村までの道中に考えた仮説は、村人がお金か脅迫、あるいは宗教による行動規制、そうでなければドラッグを含む多幸感を沸き立たせる成分を含む何かを村人が接種しているというものだった。
伝染病や風土病まで思いをはせた愛子に対して、村人は皆、一様に親切で愛想がよく、幸福そうに見える。
夫と息子を事故で亡くした愛子にとって、移住すれば幸せになるという話はとうてい納得できるものではない。
理由を探している中で、村では不審な事故死が相次いだ。自身も疑われる中で、愛子はさらなる事件に巻き込まれる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
うまる
38
前作と韻を踏んでるタイトルが好き。3作目もこのパターンを期待しちゃうけど難しいでしょうか。 密室より、必ず幸福になれる村の謎の方が面白かったです。ただ、どこまで専門的な話を許容できるかで、好き嫌いは分かれそう。一般的な人には推理しようがない事を明かされて、へぇなるほどと思えるなら良いと思います。タイトルから密室の面白い話を期待すると厳しいかな。密室自体は、事件が起きた時の描写を読んでる時点で気付く人が多数だと思います。総合的には前作の方が好みでした。2022/02/25
あっちゃん
34
家族を亡くし不幸せ志向の主人公(笑)勤め先の移住推進課の為というよりやっかみ半分で、住む人が皆幸せになれるという村に調査に!主人公も好きになれないけど、その疑り深い目線での展開で怪しさ全開( ̄ー ̄)2026/01/15
金吾
26
読みやすいので一気に読んでしまいます。幸福の謎が解けるまでは面白かったです。ただ愛子の性格は独善的であり、やや辟易します。2026/06/24
yumiDON
17
住む人は幸せになれるという多幸村。自治体職員であり移住推進課の愛子はヒントを求めて多幸村を訪ねる。そこで起こる不審な事故死。 「」の使い方が独特で会話文なのか独白なのか考えていただけなのか分からず、最初は世界に入るのにやや手こずりましたが、そこを除けば概ね読みやすい文章です。 幸福の謎と不審死に繋がりはあるのか、犯人の企みとは…というのが謎解きの大筋です。 個人的には思っていたより事件がコンパクトだったことと、理系の知識が貧弱なので「へー」という読後感で終わってしまったのが少し残念。2026/03/12
You
7
ったくとんでもねえところだぜ長野県ってとこはよ。民俗学サスペンスと思ったら突然バイオガチ勢らによる分析小説になってもうた。RNAで転写って何〜。高一生物の浸透圧の段階で挫折したゴミクズ文系の私のためにもっと噛み砕いてほしかった。カフェの息子聡明すぎんか。役割語の多用、奥行きがなく都合のよい登場人物配置、台詞回し、単純なトリック等、随所に拙さは見えるが、真相はなかなか面白かったし、ラストをあの手紙で〆るのも余韻があった。専門的解説を素人にも判る小説に落とし込む技術を今後頑張って磨いて欲しい。(偉そうな感想)2023/12/29
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