内容説明
企業の炎上鎮火を請け負う裏仕事人の西澤奈美は、筋力トレーニングを日課とし、冷蔵庫にはビールと栄養ゼリー。
音楽はオールディーズをこよなく愛し、話し相手はAIのユキエ。
そして、ファッションはいつも黒ずくめ。
大手医薬品メーカーに仕掛けられたデモを鎮めるべく、市民団体に潜入した奈美。
だが、そこでリーダーから紹介された同士とは、リアルな恋人の雪江だった。
新ヒロイン誕生!
第65回江戸川乱歩賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タックン
48
最新作、影を踊る日を読んで気に入った作家の江戸川乱歩賞受賞作。読みやすく探偵物・ハードボイルド調のストーリーは先が気になって一気読み。総会屋系の雰囲気は古い感じだけど、企業のヘイトや炎上案件を解決する裏家業という設定は面白かったです。在日韓国人問題・AI・同性パートナー何かの今日的な問題も上手く散りばめられてます。 最後の黒幕との対決は想像以上だったけど、ヒロインの出目を考慮するといい落としどころです。 ピカレスクロマンを感じました。もっと次の作品書いて欲しいです。 最後にこの作家、男性には驚きました。 2023/01/20
nemuro
39
近頃、この機会を逃せば今後スポットが当たる(つまり読まれる)ことはなさそうだなぁなどと思いながらの選定も多い“しりとり読書”。そんな“しりとり読書”の『しろいろの街の、その骨の体温の』(村田沙耶香)に続く67冊目。タイトルが「の」から始まる本は案外少なく、2冊目の『のろのろ歩け』(中島京子)に次いで今回で2回目。他には『野良猫を尊敬した日』(穂村弘)と『のぼうの城(上・下)』(和田竜)があった。意外にも著者は男性。そうか思ってもみなかった。本書にて江戸川乱歩賞、史上最年長(58歳)受賞者に。ウン悪くない。2022/03/09
三代目けんこと
33
第65回江戸川乱歩賞の受賞作。続編もあるとの由、今後も本シリーズ楽しみたい。新ヒロイン誕生! しかし本編とは関係なく驚いたのが、男性作家さんだったということ。2022/10/19
JADE
16
初読み作家さん。江戸川乱歩賞受賞作ってことで読んでみた。何気なく手にした本だったけど、これがけっこうなあたりだった。総会屋くずれ、企業の炎上案件を解決する裏稼業。変装して敵対する組織に潜入したり、尾行もすれば盗聴もする。常日頃の体の鍛え方も半端じゃない。先の見えないスリリングな展開と複雑に絡み合う登場人物たち、油断してるとトラップが待ち構えてる。後半はもう一気読みだった。主人公の奈美とパートナー雪江のキャラも良い(ただ表紙イラストはイメージと違う)。こういう掘り出し物(失礼)があるから、読書は面白い。☆42025/01/04
KEN301
8
真っ暗な光の無い世界で、自分は目だけが光る黒猫なんだと思ってみる。本当は右目の色が少し青い白猫なんだ。2022/09/16