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内容説明
EUから完全離脱した英国でいま何が起きているのか。スコットランド独立問題など内憂と、国際プレゼンス向上努力の現場を描く。
英国は将来にわたって今の国のかたちを維持できるのか? 数年にわたる騒動を起こしたBrexitがその最大の問題の「パンドラの箱」を開けてしまった。2020年末にEUと貿易協定を結んだことで経済の大混乱という最悪の事態は免れたように見えるが、EU残留志向が強いスコットランドでは英からの独立運動が再燃。地方議会選で独立派が過半数の議席をとった。英領北アイルランドでは、年初の完全離脱後も、懸案だったEU加盟国アイルランドとの国境問題がくすぶったまま。将来的にアイルランド統一論が盛り上がる可能性は否定できない。
TPP参加表明やG7サミットの議長役など「グローバル・ブリテン」と称する華々しい外交政策を展開するジョンソン政権だが、一皮めくれば国内で国家の解体や分裂の懸念が高まっているのが実情だ。かつて世界の4分の1を制覇した英国が将来、EUから離れただけでなくさらに小国へと没落するのか。それとも今の国のカタチを死守するのか。現地の風景や生の声も交えながら探る。
目次
序章 Brexitが開けたパンドラの箱
第1章 スコットランド独立運動の再燃
第2章 南北アイルランドが一つになる日
第3章 完全離脱1年目の「通信簿」
第4章 離陸できるか「グローバル・ブリテン」
第5章 「インド太平洋重視」の勝算
第6章 「EU離脱」騒動の教訓
終章 「パンドラの箱の閉じ直し=EU再加盟」はもうないのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
24
ブリグジットの影響がわかりやすく書いています。スコットランド以上に北アイルランドの方が危ないという印象を受けました。新聞レベルしか知らなかったので面白かったです。2025/10/30
takao
2
ふむ2024/04/13
お抹茶
1
ブレグジットの影響の一例として,魚介類では原産地規制に関する規定などの手続き費用や時間がかかって鮮度が落ち,輸出は激減。政治面では,スコットランド独立やアイルランド問題に言及する。ただし,イングランドの一般市民にとってはあまり関心のない話題。ブレグジットによるGDPのマイナスを埋めていくには,インド太平洋地域への投資拡大が経済浮揚の鍵になると著者は指摘するが,こちらも一般市民の関心は低いそうだ。2022/02/20
K
1
読みやすい入門編。スコットランドより北アイルランドの方が問題は根深く、深刻な印象…2022/02/21
ウラー
0
どうしてブレグジットのようなことが起きたのか、ブレグジット後のイギリスは何をしているのか、などの点について、知識をインプットできた。とはいえ、ブレグジットから少し時間がたって、その原因や影響が見えてきたものの、ブレグジットの評価を決めるにはまだ早すぎる、というのが本書を読んでの感想だ。2021/11/29
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