内容説明
浅田美代子は、樹木希林さんの人生の、一番弟子だった。
――林真理子
「美代ちゃんが私の人生の語り部になってね」
いつものように、二人でご飯を食べながら会話をしている最中に、希林さんが突然そう言った。
そこにどんな意図があるのかわからずに、驚き、困惑した。
「なに言ってるのよ。それに、希林さんの周りにはもっとふさわしい人がいっぱいいるでしょう? 私なんか、言葉もそんなに知らないし」
「いいんだよ。あなたが私のことをいちばん知っているんだから。気持ちがあれば伝わるんだよ」
(本文より)
姉であり、母であり、親友だった樹木希林さん。ずっと「ひとりじめ」にしてきた希林さんとの思い出と、青春の日々を綴ったエッセイ。
〈目次〉
となりの美代ちゃん、希林さんに出会う
かけがえのない女友だち
夜遊びと人間関係
老いに抗わない女であるために
結婚のこと
ロックな男とフォークな男
久世光彦さんとの決別と再会
少年のような西城秀樹さんのこと
冬は河豚、初夏はさくらんぼ
希林さんと裕也さん――不可解な熟年夫婦
身勝手な愛
私の中の悪女
忘れられないプレゼント
役の人生を積むこと
いくつもの恋をしてきた
離婚のこと
明石家さんまさんとのご縁
父親を許せなかった
人生最愛のパートナー・4匹の犬たちのこと
“おひとりさま”の明るくて新しい生き方
母を見送って
自分の命も、ものの命も使い切る
永遠の住処をともに探して
希林さんの終活
希林さんとのお別れ
縁は運であり運命だから
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
101
樹木希林さん没後に、脚本家の中園ミホさんらに後押しされて、美代ちゃん、あえて、そう呼ばせていただきます、が書いた希林さんの語り部本。浅田美代子さんにとっては、希林さんは、恩人でありながらも、やはり二人の関係性は、女友達。相応しい長い交流です。食事や旅、仕事やお金、悪口まで共有。つかず離れず、でね。独り占めしていた美代ちゃんの喪失感たるや、いかばかりかとは思うものの、愛犬達がいるかな?とも思います。やんわりじんわり、読後感が染み渡る本。両者の、派手な主役ではないが、よい味だしてる役者スタイルにも通じますね。2023/07/18
ぶ~よん
73
浅田美代子による、樹木希林さんの語り部本。全頁に渡って、樹木希林愛に溢れた本書から伝わってくる。役者という職業に対する考え方だけでなく、専業主婦の素晴らしさを説き結婚を後押しされたこと、離婚も特に反対されなかったこと、アンチエイジングへの考え方や不動産選びまで、人生に大きく影響をおよぼしたことが分かった。他人の人生に土足で踏み込んでいるようにも感じるが、お節介が必要な人間も世の中には多いということ。恐らく、踏み込んで良い人間を見極められるから、人望があったのでしょうね。ご冥福をお祈りします。2024/12/11
しのさー
29
「さんまのからくりTV」「釣りバカ日誌」のほんわかしたイメージで、この本を読んだら全然違ってた 料理上手、さらりとしなやか浅田さんのファンになった 希林さんとのやり取りは、希林さんの口調を思いながら読んだ 小さいころ好きだった西城秀樹のことももっと知りたくなった 表紙の希林さんの似顔絵も素敵だ 希林さんと共演の映画がいくつか紹介されてたので観たい2022/03/03
うー
24
ほんわか天然のイメージが強い美代ちゃんだったが見る目が変わった。樹木希林さんとの関係が羨ましい程ステキ。『人並み以上に恵まれ、授けられているものがあるとすれば、縁』と自己分析されていたが確かに。最後の一行、希林さんへのメッセージに胸が締め付けられた。読んでよかった。2022/02/26
こふみ
22
ご自身のこれまでの人生について書かれたエッセイ。芸能界に入ってからは樹木希林さんが、いつも寄り添っていてくれたのですね。ご両親との関係や、結婚と離婚のこと、動物愛護のこと。時々登場する西城秀樹さんがとてもいい人でなんだか切なくなりました。2022/08/02
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