越境する認知科学 2<br> 創造性はどこからくるか - 潜在処理,外的資源,身体性から考える

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越境する認知科学 2
創造性はどこからくるか - 潜在処理,外的資源,身体性から考える

  • ISBN:9784320094628

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内容説明

面白いコメディを見た後は作業効率が上がる。適度に乱雑な部屋の方が創造的になれる。考えるとき腕を小さく回すより大きく回す方がアイデアの幅が広がる…ほか創造性にまつわる数々の実例。認知科学が創造性のありかに迫る。

目次

第1章 ひらめきはどのように訪れるか
第2章 ひらめきの訪れを予測できるか
第3章 創造的思考を助ける外的資源と外化
第4章 外的資源としての他者
第5章 外的資源と創造性をつなぐ身体
第6章 創造性と曖昧になっていく身体
終章 創造性はどこからくるか、どこにあるか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りょうみや

28
創造性、ひらめきといった神秘的と一見思える現象を数々の認知科学の実験からそのベールを剥ぎ取っていく。副題にある潜在処理、外的資源、身体性というのが重要になってくる。個人的に認知科学の本をいくらか読んでいるのだけどそれらから語る人間観はスリリングだと言える。「越境する認知科学」シリーズの他書が良かったので手に取った。認知科学の本を多く書いている鈴木宏昭氏が強く勧めている一冊でもある。2022/11/11

shin_ash

7
「創造性はどこからくるか」となんとも興味深いタイトルである。得体の知れない特殊能力っぽい創造性であるが、認知科学では研究の対象になっているようである。創造性の特徴の整理から入って、創造性にまつわる環境、身体へと続く。結局、創造性は認知の問題というところは認知科学の領域所以かもしれないが、説得力はある。確かに、じっとしていて何か閃いたことは無いような気がするし、色々やってみて気づくことも多い。そういうことを論理的に再認識できた。不気味な気もするが、身体に着眼して擬似的に拡張するアプローチに強い興味を覚える。2020/02/07

cybermiso

2
創造性、ひらめきがどこから生じるかについて、現在まで学術的に行われてきたさまざまな実験や議論をまとめて紹介した本。実験に使われる題材として9点問題やTパズルなどがよく用いられる。ひらめきがどう生じるかというより、それを解明するための研究アプローチが興味深い。後半はもう少し幅広く人間の認知や無意識についても触れる。ボタンホールパズルにおいて手の大きさが解決の糸口をつかみやすいか否かに影響したりとひらめきと身体性についての話は面白かった。2021/08/10

Go Extreme

2
ひらめきはどのように訪れるか ひらめきの訪れを予測できるか:創造的思考の突発性と漸進性 創造的思考を助ける外的資源と外化:創造性を支える環境要因・外的資源 言語化は創造性の敵か味方か 外的資源としての他者:心の中で作られる他者 創造性は一人で発揮できるか 外的資源と創造性をつなぐ身体:外的資源の利用とアフォーダンス 心的処理 創造性と曖昧になっていく身体 私の身体」という感覚 自他を分ける身体 身体が変わると思考も変わるか 水槽の中の脳は創造的になれるか 創造性はどこからくるか,どこにあるか2021/03/07

Atsumi_SAKURADA

2
「創造性」を巡る認知科学研究の概説書です。「才能」の如何でなく、人によらずどう固定化された見方を脱して斬新な発想に至るか――という制約論的アプローチが主流の理論的な枠組みだそうです。副題にあるように、環境、記録媒体、他者的な視点の関与といった外的資源、そして自己の身体的な活動(身体性)といった要素が、「創造性」の発揮に影響するとのことです。ただ、無意識的な思考である潜在処理の過程が「創造性」を捉えにくくしているというところまではわかるのですが、各研究での操作的な定義が実際にどれほど有効か疑問です。2020/08/07

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