内容説明
本書では、統計モデルに対する計算代数的アプローチについて、これまでの筆者達の研究成果をもとに、マルコフ基底を用いた正確検定、グラフィカルモデルや条件つき独立性、実験計画法へのグレブナー基底の応用などを解説していく。本書を読む上で必要となるグレブナー基底の理論とアルゴリズムに関する基礎事項は、付録としてまとめている。統計理論に興味をもつ学生から、統計科学諸分野に携わる大学院生や研究者など、幅広く役立つ書となっている。
目次
第1部 マルコフ基底と正確検定(マルコフ基底を用いた正確検定の考え方
マルコフ基底の定義とマルコフ連鎖の構成
マルコフ基底の諸性質
いくつかのモデルに対するマルコフ基底
格子基底を用いたマルコフ連鎖)
第2部 グラフィカルモデルと条件つき独立性(階層モデルとグラフィカルモデル
単体的複体の既約成分への分解
階層的部分空間モデル
グラフの三角化と比例反復法
Imsetによる条件つき独立性の推論)
第3部 実験計画法におけるグレブナー基底(一部実施要因計画とグレブナー基底
2水準計画の指示関数
特性値が離散変数の場合の正確検定
グレブナー基底の基礎)