内容説明
本書では、名著として名高い古典的著作を適宜引用しながら、著者独特の語り口で、微積分の基礎を解説していく。『解析概論』を軸とし、『数学解析』や西欧の古典的名著の数々をその周辺に散りばめながら、関数とは何か、数とは何か、無限級数の収束とは何か、微分とは何か、積分とは何かなど、「微積分の厳密化」に関して考察を進めていく。
目次
第1章 微積分の名著と古典(二つの名著:高木貞治『解析概論』と藤原松三郎『数学解析』
古典の世界)
第2章 実数の創造と実数の連続性(無理数を創る
実数のいろいろ
微積分の厳密化とは)
第3章 昔の微積分と今の微積分(0を0で割る
変化量の微分と関数の微分
フーリエ解析のはじまり
不定積分から定積分へ)
第4章 「玲瓏なる境地」をめざして(「関数」の定義を求めて
初等超越関数の解析性
解析的延長(解析接続))