内容説明
ペレルマンがサーストンの幾何化予想を解決してからすでに10年が経ち、その手法はすでに幾何学の基礎になりつつある。本書ではその手法を最小限の知識を前提として解説することを試みた。直接解決に用いられたリッチフローの解析について述べるだけでなく、予備知識がない読者でも幾何化予想の内容を無理なく理解できるよう最初にページを割いて3次元多様体論、とくに幾何構造と標準分解について述べた。
目次
第1章 幾何構造と双曲幾何(幾何構造の一般論
双曲モデルと双曲変換 ほか)
第2章 3次元多様体の分解(PL‐構造と微分構造
3次元多様体内の曲面 ほか)
第3章 リッチフローの基本定理(方程式と特殊解
初期値問題 ほか)
第4章 リッチフローの特異性(局所L‐幾何
局所非崩壊定理 ほか)
付録 ファイバー束と主束の接続