内容説明
本書は、常微分方程式の数理モデルに焦点を当て、歴史的に重要な論文と著者らのオリジナル研究を紹介する日本初の計算ウイルス学の入門書である。欧米諸国を中心に繰り広げられてきた数理モデルを用いた臨床データの定量的解析および、著者らが近年展開している数理モデルを用いたウイルス感染実験データの定量的解析を詳細に説明する。また、本書で解析される様々なウイルス感染の実験データもすべて掲載している。
目次
第1章 数理科学と実験ウイルス学の融合(次世代のウイルス学研究に向けて―計算ウイルス学の展開
ウイルス感染ダイナミクス定量化の試み
理論と実験の相互フィードバック型の研究へ)
第2章 ウイルス感染の数理モデル(ウイルスダイナミクス
生体内のウイルスダイナミクス
培養細胞内のウイルスダイナミクス)
第3章 抗HIV治療の数理モデル(単剤治療下におけるHIV‐1の感染ダイナミクス
多剤併用治療下におけるHIV‐1の感染ダイナミクス)
第4章 抗HCV治療の数理モデル(単剤治療下におけるHCVの感染ダイナミクス
多剤併用治療下におけるHCVの感染ダイナミクス)
第5章 リンパ球ターンオーバーの数理モデル(BrdU投与下における標識リンパ球のダイナミクス
重水素化グルコース投与下における標識リンパ球のダイナミクス)